半鐘の半死半生

社会に警鐘を鳴らす…わけもなく。

議会の規則の要否

議会には、規則の制定権はあるのかないのか。
前の記事では、(一般的には)ないとしたが、本当になくていいのか。

そこで、ちょっと角度を変えて考えてみたい。
議会は、規則を制定する必要があるのか。

会議規則は、
議会の自己ルールであるが、手続法の側面もあるから、規則なのだろう。
議会の自己ルールであるから、議会という機関が制定するのは当然。

傍聴規則は、
傍聴者を取り締まる必要があるから、規則なのだろう。
おそらく、庁舎管理権を背景にするものと思われるので、根本的には首長の権限と思われるが、こと議場に関しては、議会に委任するのが自然であり、さらには、この場合の委任先としては合議体たる議会より個人たる議長が妥当なのだろう。
自治法の条文は、このような考え方が中間省略された結果ではないか。

さて、それ以外では、
まず、自己の権限の範囲内で定める規則が考えられるが、
議会は執行機関ではないので、規則が必要な場面がほぼない。
(自己規律に関しては、内規(○○規程)で足りる。)

次に、条例から委任を受けて定める規則が考えられるが、
議会が議会に委任する構図は成り立たないので、規則を定める場面を考えがたい。
(あるとしたら、議長への委任であり、議長規則になるべきではないか。条例が、委任先と法形式とを指定して制定権を与えると考えれば、可能ではないか。)

こうしてみると、議会に規則制定権が「ある」(理論)としても、
実際に規則を制定する場面がないのであれば、
結局、議会に規則制定権は「ない」(状態)ということでよいのではないか。一応は。

一応は、としたのは、議会改革などの動きの中で、また、各種の新制度の中で、
議会が執行機関となる場面があるかもしれず、
そこの捉え方が、私自身、まだよくわからないからです。

ちなみに、政務活動費の規則に関して言えば、
予算執行に関わるものなので、条例から委任する先は、首長の規則が適当と解します。
強いて議会内で委任するなら、
前述のとおり自分で自分に委任はできないので、委任先は議長しかないのでは。
(重要事項は条例で、軽易な事項は規則で、という分担イメージは、議決機関と執行機関が異なる中での話で、分担イメージから「議会にも規則」と考えるのは、短絡というか、誤解ではないかと思います。)

追記(8/14)
 言い方を変えると、
  議会が規則の制定主体になりうるとしても、
  自治法は議会が規則を制定する場面を想定しておらず、
  よって、現在の自治法においては制定権はない、
 というところかと。
 ただ、今日でもないままでよいかどうかは別の議論で、それがどちらかは、保留としておきます。
追記終わり。



とまあ、さして文献も浚わずに、思ったところです。
否定材料になるのも議論のためかと思うので、ぜひ否定したってください。

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議長規則

世の中には議長規則なるものがありますが、それをどう考えたものか。
どうにも腑に落ちない存在でしたが、素直に、議長規則というものがあるのだ、とするのがよさそうな気がしています。
例によって、こじつけめいた謎理論ですが。


規則の制定権は、法律の定めるところによる。
法は、いくつかの機関に規則の制定権を認める。
規則の制定権のない機関は、規則を制定できない。
議会は、規則に関して、制定権を与えられていない。
ここで、この規則を「一般規則」と呼ぼう。
代入すると、
議会は、一般規則に関して、制定権を与えられていない。

規則の制定権は、法律の定めるところによる。
法律が、制定権者と法形式(規則)とを指定して制定権を与えれば、当該制定権者は規則を制定できる。
ここで、この規則を「特殊規則」と呼ぼう。
そうすると、
議会ないし議長は、特殊規則に関して、制定権が与えられている(法120、130)。

そして、
議会に制定権が与えられたものは、議会規則と呼べようし、
議長に制定権が与えられたものは、議長規則と呼べよう。
(両者を合わせて議会規則と呼ぶことは妨げられないだろうが、そうした団体があることで、なぜ議長規則があるかが、かえって謎になるのだろう。)

ということで、制定権的整理はどうだろうか。

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re:自治実務セミナー「自治体職員と地方自治法」

自治実務セミナー「自治体職員と地方自治法」
http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20170628

読みました。安定の塩浜節ですねえ。
触発されて、少々述べたくなりました。

地方自治法をどのように学ぶかといえば、おっしゃるように、自分の興味に引き付けてがよい、と言えるでしょう。
財務関係は、日常で具体的に使うから困らないとして、そのほかでは、ニュースをきっかけに興味を持ってもらえたらなあ、とは思いますね。専決処分の乱用とか、国と自治体の対立、自治体と自治体の対立とか。ふるさと寄附金だって、負担付き寄附に絡めると、ちょっとおもしろいんじゃないかなあ(持論)。

また、角度を変えて、地方自治法をなぜ学ぶかといえば、ひとつには、実際に使うから、ですね。財務とか議決事件を筆頭に。
いまひとつには、いつかそれを壊すため、ですかね。壊して、よりよく作り変える。そのためには、知らなくちゃいけない。そんなことを夢想してみれば、どうだい、少しはやる気が湧いてこないかい? なんちゃってー。カッコつけましたー。

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せめて、返礼品らしく

ふるさと納税 佐賀の返礼品に夕張メロン 生産者らブランドへ影響懸念
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0411445.html

佐賀県内の2市町が本年度、ふるさと納税の返礼品に夕張産を含む道産メロンを「赤肉メロン」として加え、夕張市農協や夕張市が困惑している。


返礼用のメロンについて、武雄市は「夕張など道産」、上峰町は「夕張メロンのうち最上級の『共撰(きょうせん)』より質が劣る『個撰(こせん)』商品」と業者から説明を受けたという。いずれも「夕張ブランドに配慮した」とし、募集サイトなどで産地は明示していない。


ほうほう。では、どのような紹介になっているのか確かめてみましょうかね。

【超贅沢】あま~い赤肉メロンが驚愕の8kg!!【限定200セット】
https://www.furusato-tax.jp/japan/prefecture/item_detail/41206/311750
>先行予約商品
>どど~んと8kg
>200セット限定

業者の提案したデザインのまんまなんでしょうけどね、みなさん、いかがですか?
返礼品、ってなんでしたっけ?


これから話すことは閑話です。
『あさひなぐ』という薙刀のマンガがある。特に追っているわけではないが、時々目に入る。先日、「汚い薙刀」という話が出ていた。勝負に勝ちに行くのは美しくない、ということらしい。「スポーツ」では、ルールの中での工夫や、こずるい行為は、まあ許容されるような印象がある。対して、「武道」では、「道」ゆえに、そうしたものを嫌うような印象がある。両方とも、私の勝手な印象だが。勝たなければ意味がない、と、勝てばよかろうでいいのか、との間で、当事者も外野も、いろいろあるのだろう(また、種目にもよっても異なるだろう)。それをどちらとは、私ごときが言えるものではない。
さて、この話を見て思ったのが、ふるさと寄附金のことであった。いまの状況は、美しい運用のされ方ではない。しかし、美しくなければならないのか? と反問されれば、万人が納得する答えは、ないだろう。いまのところは。
閑話休題。


返礼品については、国も少しは言うようになったようですが、
本気で返礼品足らしめるなら、3割じゃなくて3千円ですよね。

あと、最近思うのが、寄附の受領に際して、「返礼品がなくても寄附していただけますか」と問うたらどうなるかなあということ。
同意を得られれば、純粋に寄附ですが、得られなければ、負担付き寄附です。議決を要しますね。また、特別の利益が自己に及ぶことを旨とする寄附であるとの確認にもなると。 ん? 誰か来たかな? ちょっと失礼しますね

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です・ます調の条例・2

小学生くらいの子どもでも、それなりの料理をするとなれば包丁を扱う。(という設定で話をします。)
子どもに包丁を扱わせるには、どうするか。

包丁が危ないことを教え、ケガをしないような扱い方を教えるのではないか。
包丁の刃を丸めたり、デコってかわいくしたり、ということが対策ではないだろう。

私は、条例や法律は、見えない刃だと思う。

条例をです・ます調にすると、子どもが扱えるものになるか?

である調のままだって、子どもは(わかる範囲で)わかる。です・ます調で、わからないものがわかるようにはなるまい。
また、です・ます調にすることで条文の解釈に紛れが出るとしたら、それは、そのような犠牲を払ってまですることなのか。

おそらく、そういうことで、私は、です・ます調の条例をよしとできないのだろう。

親しみやすさとわかりやすさは、異なるものである。
さらにいえば、素のままにきちんと扱わせることより、素のままでは扱わせないこととするのは、相手(子ども)も対象(条例)も、軽く見られているということ。それは、「親切」とは違うだろう。
(もっとも、そんなふうに思っていないから、です・ます調にできるわけだが)


子ども向けの包丁やデコった包丁があるのは知っていますが、そういう話ではないので。いいね?

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日本語と日本手話

立法と調査 386号(平成29年3月1日) (リンク)

日本語と日本手話 (リンク)
なる小論があったので、お知らせします。



例規の仕事を経験すると、言葉の定義や射程に敏感になる。

「手話言語条例」という言葉を聞いて、思ったのは、
なぜ言語? ということでした。

私は、言語かどうかは、学術的に決まるものと思っています。
まさか、言語かどうかを条例が決めようとでも?

ググってみると、手話は確かに言語のようでした。
ただし、手話には種類があって……というあたりから、話はややこしくなります。

条例がいう、「手話が言語であるとの認識」とは、
日本手話と日本語対応手話を、区別してのものなのか、違うのか。
その次第によっては、人は条例に異なるものを見てしまうのではないか。
その次第によっては、ややこしい問題のどちらかを支持してしまうのではないか。

手話なるものの使用が保障され、普及されるべきことに、異論はありませんでしたが、ことは単純ではないようです。
ああ、困った。

どちらかが「正解」ではないのでしょう。
しかし、条例を制定するのであれば、「選択」はしなければならないと思われます。
「(条例制定は)いいことなんだから」というだけでは済まされない、はず。

なお、冒頭の、言葉に敏感、の立場からすると、
手話“言語”条例というなら日本手話想定に親和的、
日本語対応手話を想定してなら、“言語”は非親和的、
という感はあります。この点もまた、「選択」になるのでしょうけど。

追記(3/14)
最後のほう、若干改稿しました。
ちなみに、「手話言語条例 日本手話 inurl:lg.jp」でググると、やはり議論があることがうかがえます。
埼玉県朝霞市は、日本手話を明言したんですね。潔いというか、わかりやすい。
なお、あえて選択しない、というのも態度のひとつでしょうが、態度の説明は、必要になるかと。

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地方自治法を学ぶ前に

法学を学ぶ前に、を受けて。

地方自治法は、つきあいも長いので、さほど難しいとは思わなくなった。
量は多いし、深入りしようと思えばもちろん大変だけど、
基本的には、書いてあることを素直に読めばよいと思う。そういう条文が大半だ。

じゃあ、何が難しいと思わせるのだろう?

それは、法というものに不慣れ、というところからくるのではないか。
法の読み方がわからなければ、内容の理解もままならない。
確かにそれは、法の難しさではあるが、しかし、地方自治法の難しさではないだろう。
民法・刑法のような、条文とは別に学んでおくこと、という面倒さは少ない。
ないとは言わないけど。
ともあれ、大変さと難しさを錯覚しないように。

というわけで、さて、地方自治法を学ぶ前に必要なことはなんだろうか。

1 何はともあれ、読み方のルール
・条、項、号の意味  「前項」がどこを指しているのかわからなくては話になるまい
・及び・並びに 又は・若しくは の構造
・できる、できない、ならない の差異
・定義された語句  置換(代入)して読む。普通の日本語として読んではいけない
・「政令で」「条例で」  階層構造、委任関係があること

2 読む前に求められる知識
・財務関係(時効、財産、債権)は、民法の知識が前提
  ここの難しさは、民法の難しさ
  特別法としていかに一般法を修正するかは、地方自治法の難しさ

3 読んだ後に求められる知識
・判例、行政実例
  条文の素直な解釈を修正することになる(行政実例は信じすぎてはいけないが)
  条文の素直な解釈を修正するものがあること、それは何か、は知っておきたい
・行政法、行政不服審査法
  機関、許可、処分、審査請求あたりは、意味をおさえて読み直すと理解が深まる

4 地方自治法に書いていないこと
・教育委員会、公務員、地方税、財政運営など(自治法内に一応条文あり)
・行政手続法、情報公開、個人情報保護など(関連条文なし)
・個別法に基づく「責務」  (なんとかならないかな、これ)

例えるなら、料理を作るのに、
材料の切り方とか、火のとおりやすさとか、「大さじ」とか、そういうのが求められる話。
そんなことを思ったわけです。

おまけ 私選・最低限これだけは覚えとけっていう条項
・議決事件(96)、専決処分(179,180)
・職員の賠償責任(243の2)
・条例(14)、規則(15)
・附属機関(138の4)、補助執行(180の2)、予算と条例(222)
・財務の章はひととおり(監査請求は除く)
あと、「(~し)てはならない」という条文には、気をつけたほうがいいです。
そのほかは、必要になったときや担当になったときに調べればいいんじゃないかな。

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地方財政措置

真夏の夜の寝言。

その経費については、地方財政措置を講じております。

パックは嘘を申しません。



「地方財政措置ってどういうこと?」

「一般財源でやれ、ってこと」

「ええと、(普通)交付税が出るってことじゃないの?」

「まあ、もらう方に着目すれば、ね。
 でも、ある経費について、全額、交付税が出ることはないよね?
 自治体が負担する方に着目してみれば、
 経費に対して、税収が5割相当あれば、5割は税金を使う。
 税収が7割なら7割使って、税収だけで足りれば全部自前。
 税収だけでは足らなければ交付税は出る、それは確かだけど、
 裏返せば、税収で賄える限りは税収でやって、ということでもあるの。」

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庁内連携

番号制度の関係では、庁内連携(庁内他部局での番号の利用)とやらについて、条例が必要らしいです。

昔取った杵柄で、番号法を読んでみるのですが、なぜ条例が必要になるのか、どうも得心がいきません。

法が「条例で規定しなさい」としているものを規定するのは、吝かではありませんよ?
ただ、庁内連携というのは、法定外の番号利用などと違って、「条例で」との明文がありません。

そもそも、法定の事務のためなら、他の自治体から情報を取り寄せるのが(法で)許されるというのに、自治体内から取り寄せるのは許されない(条例で規定しないとダメ)というのは、どういう理屈なの?

そういうのは、「もちろん解釈」の範疇でしょ。

どうも情報の目的外利用の禁止に抵触するから、らしいのですが、ならば、法の制定時において類型化して、条例事項にできた話。若しくは、「(庁内も)利用できる」としておけた話。
いずれもされなかったということは、法の制定時においては「もちろん解釈」だと思っていたのではないでしょうか。それが、あとになって、解釈論では疑義が……というので、条例で対処することにした。そんな印象を持ちます。

今日日、自治体にも法の解釈権はありますから、条例なしでも庁内連携はできると解釈することはできると思います。
もっとも、国からの通知でも法の解説本でも、庁内連携には条例が必要というのが趨勢なので、旗色は悪いなあ。
(なんだかんだいっても、裁判になったときに負けたくなければ、安全策で、条例作っておいたほうが「無難」)

追伸
かくなる上は、法のほうを改正して、もちろんできる、ということを明文化していただきたいところ。合目的的利用と目的外利用禁止との競合について、合目的的利用の優先を明確にするだけのこと。立法で解決すべきは、立法でしていただきたいです。

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公共施設解体基金

起債は、単なる資金調達手段でなく、「世代間の負担の公平」を図る機能があります。
起債の償還を通じて、整備された施設等を実際に利用する世代が、その費用を負担するわけです。
だから、起債の対象は、原則として普通建設事業であり、そうでない、財源対策としての地方債は、例外なわけです。

さて、この論からすれば、
公共施設(箱モノ施設)の解体・撤去費用は、将来の利用者がいませんから、起債はなじまないということになります。
むしろ、利用世代のうちに、その費用を負担する、すなわち貯めておく必要があることになります。

ということで、公共施設に関しては、整備基金より、むしろ解体基金こそ必要ということがいえます。

以前から、解体・撤去費用と起債の話を聞くにつけ、そういうことを考えていたわけですが。

ふと、公共施設解体基金でググったら、出てくるじゃないですかー!

当該自治体に敬服するとともに、(もっと早く書いておくのだった)などとケチくさい感想を抱くのでありました。
ま、冗談はともかく、自分の理屈が、あながち誤りではないと思えるのは、心強いかぎり。


追記(3/10)
落ち着け、自分。
多額の費用が予想されるが起債の対象にならない、となれば、貯めておくの一択。
世代間の公平の理屈を考えなくても、求められること(貯める)は同じ。
となると、ちと、はしゃぎすぎであったか。
(いやまあ、まさしく理屈も検討されたのかもしれませんけど)

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