半鐘の半死半生

社会に警鐘を鳴らす…わけもなく。

最高規範性

自治基本条例や議会基本条例では、最高規範性が謳われることがあります。

条例どうしでの最高規範性なんてのは幻想かもしれませんが、
精神の上では、それらしくふるまってもいいはず。

どうするか。

憲法は法律を引用しない。
法律は政令を引用しない。
条例は規則を引用しない。
法形式の上下関係から、これは当然のことです。

なので、
最高規範性を持たされる条例は、
自分より下位に置くべき条例を引用すべきでない
ということがいえます。

議会に関しては、地方自治法に由来して、定数条例や政務調査費条例がありますが、
これらを引用しないこと。
法と、法に基づく条例の間に「割って入る」、
そしてどのような条例の定め方をするかを規定するのが上位の規範たるものです。

ためしに比べてみましょう。

 (政務調査費の執行及び公開)
第n条 政務調査費は、議員が政策立案又は提案を行うための調査及び研究に資するため交付されるものであることを認識し、●●市議会政務調査費の交付に関する条例(略)に定めるところにより適正に執行しなければならない。
2 政務調査費の収支報告書及び会計帳簿は、積極的に公表しなければならない。
3 議会は、政務調査費条例の改正に当たっては、議会の役割及び活動状況を踏まえ、議会内で十分に検討するものとする。


 (議員及び会派の積極的な政務調査活動)
第n条 議員及び会派は、法第100条第14項の規定に基づき交付される政務調査費を有効に活用し、政策提言等に活かすよう積極的に市政に関する調査研究を行わなければならない。

違いがおわかりいただけますでしょうか。

あるいは、

4 前3項に定めるもののほか,政務調査費の具体的な運用にあたっては,●●市議会政務調査費の交付に関する条例(略)に定めるところによる。


4 前3項に定めるもののほか,政務調査費の具体的な運用については,別に条例で定める。

としてみた場合の違いはいかがでしょうか。

あとからできた身だろうと、前からある条例の上に君臨する。
そういうのが、最高規範性の表し方かと思います。

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今・変わる!

常陸太田 市議会基本条例案を可決(朝日)
http://mytown.asahi.com/ibaraki/news.php?k_id=08000001209250002

だそうです。
気が向いたので、ちょっと中を見てみました。

 常陸太田市議会基本条例(案)に対するパブリック・コメントを募集します【募集終了】
 http://www.city.hitachiota.ibaraki.jp/index.php?code=1599

 議会基本条例(案)パブリックコメント
 http://www.city.hitachiota.ibaraki.jp/cms/data/doc/1342482284_doc_94_0.doc

 >『今・変わる!常陸太田市議会』

ですかそうですか。

ちなみに、なんですが、こういうの知ってます?
(コーラやコーヒーなど、飲み物を口に含んでリンク先を御覧いただくと、より効果的です)

 http://www.city.nagareyama.chiba.jp/gikai/gikaikihonjoureitikujou-h23-9.pdf
 ※サイトリニューアルにつき、こちら
 http://www.nagareyamagikai.jp/_files/00001731/gikaikihonjoureitikujou-h23-9.pdf

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キラキラ条例

ユニーク条例が盛んな昨今ですが、
ユニークも過ぎると、キラキラ条例、なんて呼ばれるんですかねえ。

いくら当事者に熱意があったとしても、キラキラでいい理由にはならないと思います。
自分のトコの条例だから好きにしていい、と思うのかもしれませんが、
個人の名前と異なり、条例という法形式全体の威信にかかわってくるので
(条例といっても何でもありなんだね、と見られるのは心外です)、
そういうコトも考えて、自制していただきたいと切に願う次第です。

※特定の条例を念頭においた話ではありません。念のため申し添えます。

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法令の自主解釈

法令の自主解釈というのは、好き勝手でいいって意味ではなく、解釈通知や行政実例に代わりうる、新たな標準(スタンダード)を打ち立てるってことだと思います。

なので、都合よく、ダブルスタンダード、マルチスタンダードに運用していいのでは、ありません。また、自治体ごとにバラバラなのが許容されていいという話でもないはずです。

一自治体におけるルールにとどまらず、他の自治体にも通用する(をも拘束する)ような解釈が、真に自主解釈なのではないでしょうか。

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がんばったその先にあるのが、本当の笑顔だと思うから

スマイルプリキュア第32話。

敵の「なまけ玉」にとらわれてしまった仲間(橙、黄、緑、青)を主人公(ピンク)が助けに行く話。

「なまけ玉」の中では、学校も勉強もない。悩んだり落ち込んだり、辛いこともない。がんばる必要もない。

ピンクも「なまけ玉」の中に入って行くが、先にとらわれた4人は、プリキュアのことを忘れ、生気のない目でヘラヘラしている。

仲間を元に戻そうと奮戦するピンクの前に敵があらわれて言う。

なぜ元に戻す必要があるのですか? この世界にいれば楽ですよ?


ピンクは言う。

心の底からは楽しんでないよ! わたしの知ってるみんなの笑顔は、あんなんじゃないもん!


敵は、怪物に攻撃させながら、なお言う。

一生懸命がんばっても結果が出ないでがっかりして、とっても辛かったでしょ?*1
どんなに努力しても結局うまく行かない。人に笑われ、嫌な思いをするだけです。*2
みんなを巻き込んだのに失敗して、仲間のがんばりを全てムダにしてしまった。何か意味がありましたか?*3
思い悩んで考えても結局は友達に迷惑をかけて、情けない自分にうんざりするだけ。*4

それなら、最初からがんばらなければ、そんな思いもしなくてすむ。失敗することもないんです。

*1 橙の苦い思い出  *2 黄の苦い思い出  *3 緑の苦い思い出  *4 青の苦い思い出

(見ている私にも)痛い痛い痛い、刺さる刺さる刺さる。そして、甘い誘いだ。

ピンクが、敵の操る怪物に打ちのめされながらも、叫ぶ。

答えを出すのは大変だし、面倒だし、苦しいし、でも
辛いかもしれないけど、わたしたちはそうやって少しづつでも前に進んでいきたい。
不器用かもしれないけど、私たちはみんなと一緒に未来に向かって歩いていきたい。
みんなで進む未来は、きっとキラキラ輝いているから!


あ、あれ、なんで目から汗が……

思いが届いて仲間は元に戻る。仲間と並んで、ピンクは言う。

がんばったその先にあるのが、本当の笑顔だと思うから

それは >わたしの知ってるみんなの笑顔は、あんなんじゃないもん の、答えでもある。


てなわけで、福圓さん(ピンクの中の人)の熱演に泣かされました。いい最終回だった(違う

仕事も、がんばれる気がする。よりよき地方自治をめざそう。

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読み替え

法令において、条文は、対象ごとに逐一用意せず、使い回しで済ますこともあります。
その際は、全く同じ条文のままとはいきませんので、部分的に変えて使ったりします。
それが、「読み替え」です。

使い回しの性格によって、読み替えの表現は若干異なります。

 適用する … 特定の規定を、同質の他のものにも当てはめて使う。
          読み替え:「  」とあるのは、「  」とする。

 準用する … 特定の規定を、類似の他のものにも当てはめて使う。
          読み替え:「  」とあるのは、「  」と読み替えるものとする。

 例による … 一団の規定を包括的に、類似の他のものにも使う。
          読み替え:(なし)

適用では、確定的だから「とする」、準用では、原則論だから「ものとする」、例によるでは、最早お任せだから特に指定しない、といった感じなのかなと思っています。


さて、読み替えは、一種の改め文のようなものですので、正しく溶け込むかどうかが肝心です。
そこで、条文作成・審査の作業においては、新旧対照表ならぬ、読み替え表を、作って確認することがあります。
読み替えを溶け込ませる前・後を、新旧対照表のように、並べてみるわけですね。これによって、正しく意味が通るようになっているかをチェックします。

細かいことをいえば、
読み替えの対象字句の特定は正しいか(文字の過不足はないか)
及び・並びに、又は・若しくは、の関係は正しいか(階層に応じた用語に置き換え)
読点の打ち方は正しいか(対句に絡む場合、要・不要が生じる)
といった点に気を配る必要があります。
さらには、「同条」や「同法」について、読み替えにより途中に別の条項・法律名が入るならば、「第○条」「○○法」に置き換える、といった点のチェックも求められます。

なお、読み替え表は、基本的には作業用の資料なので、表には出しません。逆を言えば、条例例の読み替え表は、来ないので自分で作るしかありません。(先だっての税条例の条例例では、珍しく添付されており、ありがたかった記憶があります。)


以上、ざっと紹介しましたが、細かいところは、ワークや詳解で確認してくださいね。

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ニュース雑感(2012/9/18)

ご当地キャラナンバー、男性に不評で通常型復活(読売)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120915-OYT1T00823.htm

 ご当地ナンバーがある多くの自治体では、通常タイプと併用しているが、姫路市では選択できず、男性から「普通のはないのか」など苦情が相次いだためだ。発行当初は行列ができる人気だったが、しろまるひめの「かわいらしさ」がアダとなった格好だ。


あー、これは、しかたないかもですね…

現在検討中、または、今後検討する予定のある自治体さんは、図柄にもよりますけど、留意しなければいけませんね。

参考
 ご当地プレート - 日本経済研究所
 http://www.jeri.or.jp/center/myplate/

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re:法律の「空白域」と自治体条例

法学セミナー10月号の感想になります。
(感想というより、便乗で何か言ってる、という状態ですが)


法律の「空白域」には行政課題がないかというと、そんなことはなくて、その問題に対して、法律がない中でどう対応していくかに、自治体は頭を悩ませるわけです。

私は、問題が構造的に全国共通のものであるならば、明白に法律で解決してほしいと考えるクチです。
空き家とか水源地保護とかは、もう全国マターなんじゃないでしょうか。

しかし、昨今の条例先行の状況では、立法化により規制がかえって後退すること(条例に比べ要件が限定されるなど)も起きうるわけで、それでは元も子もないという、ジレンマも抱えてしまいます。

なら、地方は、図太く条例を使っていればいいのかもしれませんが、規制や、権利の調整って、そんなマチマチでいいものじゃないでしょ? という直感的な反発が、私はどうも拭えないでおります。正直者というか、小心者というか。


次。
法律が、罰則等について競合する条例に対し清算を迫るのは、記事で紹介があったとおりですが、法律の成立に対して、条例の側から清算をするべきではないか、と思う面もあります。

歯科口腔保健の推進に関する法律(平成二十三年法律第九十五号)は、その一例で、
法律によって、自治体は、
「方針、目標、計画その他の基本的事項を定めるよう」
定められましたが、これにより、独自に条例を制定していた自治体の取組は、独自でなく、法に基づくものと読み替えざるを得なくなってしまいました。

たとえ、するべきことが変わらなくとも、する理路が変わってしまった。

法の制定を受けて、そうした変化を反映するべきだと私なんかは思うのですが、どうもぜんぜん改正されてないようです。
条例の制定が法の制定後でありながら、法律名が出てこないところすらありますし。

法律と条例の関係を調和させることは、立法における留意事項なのですが、そこを無頓着なままでいられるとしたら、それは立法行為ではない、ほかの何かでしょう。
維持にも責任を持ってこそ、立法。
(などと偉そうなこといってますが、ぶっちゃけゴニョゴニョ…という認識はあります。)

まあ、法律が十分に後発なら、先発の条例による基本的事項はこの法律に基づく基本的事項とみなす、くらいのサービスはしてくださってもよいのでは。


最後に。
法律と条例の関係についてはネタは尽きませんが、
さりとて、それをピックアップして読み物としてまとめるのは大変な御苦労なわけで
(私のようにルサンチマンを垂れ流しにするのとワケが違いますからね)、
執筆されている両氏には、感謝の意を表しつつ、これからも「ガチンコ」に期待していますと謹んで申し上げます。

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華麗なる公式

「華麗なる公式」なるタグが、ツイッターで話題だそうで。

その中に、自衛隊宮城地方協力本部の方も入ってましたので晒し…紹介します。ゴホンゴホン
自衛官又は自衛官候補生の募集に関する広報宣伝(自衛隊法施行令119条)ニハ、キョウリョクシナイトネ

 宮城地本@自衛隊
 https://twitter.com/miyagipco

まあ、なんだ、痛々しさに関しては人後に落ちないこのブログですけれど、



大丈夫か?(私、気になります)

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準備行為

昨日(9/12)の官報に、「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」が載っていました。
つらつらと眺めていますと、附則に「準備行為」がありました。

 (準備行為)
第二条 第四十四条第一項の規定による指定及びこれに関し必要な手続その他の行為は、この法律の施行前においても、同条の規定の例により行うことができる。

 第44条は、こう。

 (支援機関の指定)
第四十四条 厚生労働大臣は、営利を目的としない法人であって、次条各号に掲げる業務(以下「支援業務」という。)を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、全国を通じて一個に限り、造血幹細胞提供支援機関(以下「支援機関」という。)として指定することができる。
2-4 略


法律で申請や指定を定めながら、法律が施行されないと当の申請や指定等ができない、というのでは不都合です。そこで、法律の施行前でもできるように、このような規定を置くわけです。
興味のある方は、法律や条例を「準備行為」で検索して、事例を当たってみましょう。

ちなみに、自治体の条例における使用例としては、

・貸館施設の新増設に際して、オープン前から利用申込みの受付
・指定管理者制度を使う公の施設の新設に際して、オープン前に管理者を指定
・医療費助成の対象者拡大に際して、受診前に新対象者の認定(受給者証発行)

などがあります。

なお、規定の書きぶりですが、大きく2通りありまして、

…の規定による指定及びこれに関し必要な手続その他の行為は、この法律の施行前においても、同条の規定の例により行うことができる。

…のために必要な準備行為は、この法律の施行前においても行うことができる。

前者は(根拠条項を添えて)主たる行為を例示するパターン、後者は例示なく準備行為の一言で一絡げにするパターンです。
私の好みをいえば、許認可、指定、届出・登録といった予定する行為が明らかなときは、前者で書きたいなと思うところです。

あと、余談で変わり種(?)を紹介しますと、
資金決済に関する法律施行令(平成二十二年政令第十九号)には、

 (法施行前における資金移動業者の登録を受けるための準備行為)
第九条 法第三十七条の登録を受けようとする者は、法の施行前においても、法第三十八条の規定の例により、その申請を行うことができる。

 (法施行前における認定資金決済事業者協会の認定を受けるための準備行為)
第十条 法第八十七条の認定を受けようとする者は、法の施行前においても、同条の規定の例により、その申請を行うことができる。

なんてのがありますが、準備行為は、通常、自分の(法律なら法律の、政令なら政令の)規定について定めますので、本来なら法律に書かれるようなことを政令のほうでカバーするのは、イレギュラーだと思います(思いたい)。

追伸 準備行為については、法制執務詳解の最新版には加筆がされたようですから、そちらできちんと勉強してくださいね。(と、見てもないのに言う)


追記(9/16)
準備行為の用例ですが、準備行為との語句がない場合もありますので、
「前においても 行うことができる」
で検索すると、より事例に当たることができると思います。

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俺の交付税がこんなに入金されないはずがない

地方「で、いつ入れてくれるんですか?」

国「近いうちに」



一時借入れした場合の金利の負担について、国が支援するとの報道もちらほらありますが…
特別交付税で、なんてギャグでありませんように… -人-

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ニュース雑感(2012/9/3)

浜岡住民投票 県「条例案に不備」(中日)
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20120901/CK2012090102000068.html

 静岡県は三十一日、市民団体「原発県民投票静岡」が作った中部電力浜岡原発(御前崎市)再稼働の是非を問う住民投票条例案に、法制度上の問題点があると発表した。
(中略)
 県は、知事が条例案を提案する県議会九月定例会で円滑な審議を図るため、条例案の不備をあらかじめ公表した。県当局は条例案を修正できず、原案のまま提案せざるをえない。審議する県議会は条例案を修正して可決することもできる。
(後略)


だそうです。

県による発表はこちら。

 静岡県危機管理部原子力安全対策課(お知らせと業務の紹介)
 http://www.pref.shizuoka.jp/bousai/kakushitsu/antai.html
 「中部電力浜岡原子力発電所の再稼動の是非を問う県民投票条例制定請求に係る条例案の法制度上の主な問題点について」

これ、例規審査における、執行面の検討、法制度論的な検討といった、目の付けどころのお手本になるかと思います。例規の経験の浅い方には、「へぇ、こういうところを見るのか」と、参考になるのでは。
ちなみに、原案は検索すれば出てきますので、ちゃんと原案も見ましょうね。


さて、住民の方が作成する案がパーフェクトというのは、なかなか難しいのではないかと思います。
そうした中、あらかじめ問題点を整理して公表するというのは、修正可決の道を残そうという、知事部局側の配慮なのだと思います。条例制定請求に対する振る舞いかたとしても、参考になると思いました。(いやまあ、粛々とやってらっしゃるだけなのかもしれませんけど)


追記(9/4)

 「実施可能」/原発県民投票が県に反論
 http://mytown.asahi.com/shizuoka/news.php?k_id=23000001209040004

 いろいろ書いてありますが、深入りはしないでおこう。ウズウズ…いやいやいや

 ちなみに、 こちらの資料 によれば、県民投票条例の実施例は1つしかありません。
 当該条例では静岡県が問題視した点がどのようになっているか、比べてみるのも一興。

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悪い公務員

巷に公務員批判のコメントはあふれているわけですが、

 利益を生まないのに給料出るのはおかしい

というのを見たときには、

 カレーが辛いのはおかしい

みたいな言われようだなあと、さすがに思いました。
(その後に、さすがにそれは、という冷静なコメントがついたのには多少救われましたが)


きっと、手足を縛って重りをつけて池に投げ込んで、浮かぶようなら悪い公務員なんでしょう。

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