半鐘の半死半生

社会に警鐘を鳴らす…わけもなく。

うち

改め文において、改正の対象を特定する用語が、「中」です。
基本的には、条・項・号を指すので、「第○条中」のようになります。
改正の改正の場合は、対象は“改正規定”ですので、「(改正規定)中」となります。
例えば、「第○条の改正規定中」とか、「加える改正規定中」とかです。

で、「中」を使う際の注意事項として、一の改正規定の中で「中・中」と重ならないようにする、というのがあります。
例えば、「第○条第○項を第○項とし、第○項「○○」を「○○」に改め……」のようになってはいけません。

通常の改正においては、そのとおり気をつければよいのですが、世の中には、複数の一部改正を束ねた「等改正」や「整備法」というのがありまして、これらを改正する場合には、ちょっと困ったことになります。
というのは、「等改正」や「整備法」の改正では、ある改正規定を改めるには、その改正規定が属する条を特定する必要もあるため、単純に考えると、「第○条△△法第○条の改正規定「○○」を「○○」に改め……」のようになり、「中」が重なってしまいます。

そこで、そのような場合には、「(第○条の)うち」という表現が使われます。
「第○条のうち△△法第○条の改正規定中「○○」を「○○」に改め……」のようにするわけです。



さて、先日、hoti-akさんのとこで、
 「同改正規定」はどこまで同じなのか
 http://d.hatena.ne.jp/hoti-ak/20160708
という記事がありました。

この中で、「うち・うち・中」の用例がありました。
対象の特定が三層になる場合にどうするかというと、どうやら「うち・うち」と重ねてよいようです。

ここからは私見なのですが、「うち」を使う対象は、複数の規定の群れ、なのではないかと思っています。

「等改正」や「整備法」では、一の条≒改正法ですので、大体の場合、改正規定が複数あります。改正規定が一つの場合でも、改正の柱書があるので、規定は複数です。
そうした仮説からすると、
実例の「株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律の一部改正」における「第6章の次に6章を加える改正規定」は、複数の規定から成るので、「うち」を使うところと言えますが、
検討例の「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の一部改正」における「次のように加える改正規定」は、一応、一つの改正規定なので、「うち」を使わないところなのではないかと思います。そのため、かっこ書で分けることによったのではないか、と思うわけです。

かっこ書による場合に、「同改正規定」はどこまで同じなのか、という疑義が生じることには同意するところですが、上記の仮説からすると、この例では致し方なかったのかと。
そのようなつもりで検討例の元の条文の擁護を試みると、かっこ書において「以下この条において同じ」という文言がないことから、「同改正規定」にはかっこ書までは含まれない、と解釈するのでしょう。

用例を探しつくしてしないので、仮説止まりですけれど、そんなことを思いました。


追記(7/24)
もっと単純でよいのか?

一の改正規定の一部分を指すには、「中」は用いない(「うち」も用いない)。
かっこ書で指し示す(特定する)。

であれば、「うち」の対象が複数の規定かどうかという話ではなくなるので、
単純に、

「中」が重なるときには、「及び・並びに」の関係のように、大きな括りに「うち」を用いる。
階層がさらに重なるときには、より大きな括りにも「うち」を用いる(大うち・小うち)。

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この記事のコメント

コメントありがとうございました。
あまりそのような観点から考えたことはなかったのですが、言われることはそのとおりだと思います。ただ、「規定の群れ」の「規定」については、「改正規定」を構成する部分と考えてもいいようにも思います。いずれにしろ、また考えてみたいと思います。
2016-07-23 Sat 19:26 | URL | hoti-ak [ 編集]
コメント、おそれいります。
御指摘の点、ちょっと強引かな、という気はしていました。もっと単純でいいのかも。まとまればあとで追記します。
2016-07-23 Sat 22:19 | URL | 半鐘 [ 編集]

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