半鐘の半死半生

社会に警鐘を鳴らす…わけもなく。

とはいう

庁内で流れてきた、とある要綱を見たときのことです。

>この要綱において「○○○○○」とは、□□□□□とする。

なんだか違和感があるな。

結論を言うと、条文では、
 定義を規定する場合は、「とは」 を受けて 「をいう」 と書く。
 委任事項を規定する場合は、「は」 を受けて 「とする」 と書く。
これが、型(定番)であり、それに反していたからでした。

通常の日本語としてはおかしくもないので、審査でも流してしまいかねませんが、
こと条文においては、型(定番)を意識する必要があります。


定義の書き方のバリエーションとして、
かっこ書による場合がありますが、かっこ書内でも語尾は「いう」です。
また、かっこ書でなく、別の項にするパターンもありますが、やはり語尾は「いう」です。

独立行政法人福祉医療機構法(平成十四年十二月十三日法律第百六十六号)
 (業務の範囲)
第十二条 機構は、第三条の目的を達成するため、次の業務を行う。
 一~九 略
 十 地方公共団体が心身障害者扶養共済制度の加入者に対して負う共済責任を保険する事業(第四項において「心身障害者扶養保険事業」という。)に関する業務を行うこと。
 十一~十四 略
2 前項第十号に規定する心身障害者扶養共済制度とは、条例の規定により地方公共団体が精神又は身体に障害のある者に関して実施する共済制度で政令で定めるものをいう。
3~7 略


通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律(昭和六十二年六月一日法律第四十二号)
 (通貨の額面価格の単位等)
第二条 通貨の額面価格の単位は円とし、その額面価格は一円の整数倍とする。
2 略
3 第一項に規定する通貨とは、貨幣及び日本銀行法(平成九年法律第八十九号)第四十六条第一項の規定により日本銀行が発行する銀行券をいう。

ちなみに、かっこ書にしないのは、長い、あるいは、複雑なためさらに号にする、ような場合と思われます。

ただ、例外はあるようで、定義を号で掲げる場合は、「とする」が使われることがあります。

大都市地域における優良宅地開発の促進に関する緊急措置法(昭和六十三年五月十七日法律第四十七号)
 (定義)
第二条 この法律において「大都市地域」とは、次に掲げるものとする。
 略


消費税法(昭和六十三年十二月三十日法律第百八号)
 (課税期間)
第十九条 この法律において「課税期間」とは、次の各号に掲げる事業者の区分に応じ当該各号に定める期間とする。
 略


もっとも、号であっても「いう」のものもあるので、号にするときは必ず、とは言えない。

大気汚染防止法(昭和四十三年六月十日法律第九十七号)
 (定義等)
第二条 この法律において「ばい煙」とは、次の各号に掲げる物質をいう。
 略



あと、こういうのもありますが、これは誤用っぽく思えます。

地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律(平成二十六年十一月二十七日法律第百二十五号)
 (寄附等の禁止期間)
第六条 第一条第一項又は第二項の規定により行われる選挙について、公職選挙法第百九十九条の二及び第百九十九条の五の規定を適用する場合には、同法第百九十九条の二第一項に規定する期間及び同法第百九十九条の五第一項から第三項までに規定する一定期間とは、同条第四項の規定にかかわらず、第一条第一項又は第二項の規定によるそれぞれの選挙の期日前九十日に当たる日から当該選挙の期日までの間とする。

ただ、前回の法もこうなので今更変えられないのでしょうね。

それから、

消費者契約法(平成十二年五月十二日法律第六十一号)
 (帳簿書類の作成及び保存)
第三十条  適格消費者団体は、内閣府令で定めるところにより、その業務及び経理に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。

に基づいての

消費者契約法施行規則(平成十九年二月十六日内閣府令第十七号)
 (業務及び経理に関する帳簿書類)
第二十一条 法第三十条に規定する内閣府令で定める業務及び経理に関する帳簿書類とは、次に掲げるものとする。
 略
2 適格消費者団体が特定認定(消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律 (平成二十五年法律第九十六号。以下「消費者裁判手続特例法」という。)第六十五条第一項 に規定する特定認定をいう。第二十五条第二項において同じ。)を受けて被害回復関係業務(消費者裁判手続特例法第六十五条第二項 に規定する被害回復関係業務をいう。以下同じ。)を行う場合における法第三十条に規定する内閣府令で定める業務及び経理に関する帳簿書類とは、次に掲げるものとする。ただし、前項各号に掲げる帳簿書類と同一のものを作成し保存することとなる場合にあっては、この限りでない。
 略  
3 略

については、委任命令と見れば誤用っぽいですが、執行命令と見れば例外パターンのうち。さて?


ところで、冒頭の要綱ですが、略称(以下……という)がその後に出てこなかったり、配字がおかしかったりとツッコミどころが多く、しまいには、叫びたくなってきました。 主語の読点! 送り仮名注意! 例規の基本でしょう?

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