半鐘の半死半生

社会に警鐘を鳴らす…わけもなく。

インパール兵隊戦記

医療崩壊のことがいわれるとき、よく引き合いに出されていたのが「インパール作戦」でした。
作戦の概要や、結果の悲惨さ、牟田口司令官の“すばらしい”訓示などについては、wikipediaで。

そんな興味からふと目に留まって読んだのが『インパール兵隊戦記』(黒岩正幸,光人社NF文庫)でした。作戦に参加していた当の兵士によるものです。内容は、凄惨で、言葉を失うものですが、だからかな、毎年8月のこの時期になると読み直すことにしています。


補給が来ず、兵士は1日1合の米で過ごす。飢えと疲労の日々。
撤退行軍では、病人を運ぶ者が疲労で倒れまた病人となる中、次の命令が下る。

 我部山准尉が、重く沈んだ声で訓示をはじめた。
「出発にさいし中隊長殿の命令を伝える。(中略)よって、本日より担架輸送は一切禁止する」
 准尉はここまで言って絶句し、頭をたれて沈黙した。やがて、思いきったように顔を上げて言いはなった。
「今後、自力で歩けなくなった者は、自決せよ」
 中隊全体が、しーんと静まりかえった。(p.189)

その後も、人間らしさが失われるさまが描写されます。


組織の意思とは、何と愚かなものか。
しかし、程度の差はあれ、組織が、組織の論理に従った結果無理を強いることは、なくなったでしょうか?
思いつきとも思える無謀な案が、粛々と実行に移されることは、ないでしょうか?
あとになって、なぜ誰も止めなかったのかと、思うことは?

私たちは、(霞ヶ関であれ地方であれ)下っ端として被害者になり得ます。(既になっているかな?)
組織が、集団の性質ゆえに誤謬をおかしやすいのならば、それを上回る術を学びたい。
あとで後悔したくないなら、何かする。
それが、無理を命じる立場を避けることにもなるはずです。
命じる立場になれば命じなくてはならないだろうから、こそ。

付言B | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<これからの「正義」の話をしよう | HOME | 月へんの泉>>

この記事のコメント

コメントの投稿















コメント非公開の場合はチェック

この記事のトラックバック

| HOME |