半鐘の半死半生

社会に警鐘を鳴らす…わけもなく。

地方税法第20条の9について

少し前、洋々亭で次の話題がありました。

下水道使用料未納者へ還付が生じた場合の未納分への充当について
http://www.hi-ho.ne.jp/cgi-bin/user/tomita/yyregi-html.cgi?mode=past&pastlog=236&subno=26372

条文の適用の考え方としては、ぷーたろさんのレス(No.26432)に、ほぼ同意するものであります。
うち、「3 地方税法第20条の9について」ですが、
 ①地方税に係る債権債務とそれ以外の債権債務との相殺は許されないという趣旨
 ②同条の規定も,地方自治法第231条の3第4項に規定により,「例による」こととされる規定に含まれる。
はそのとおりとして、③から⑤までについては、
 ③例による以上,「相手方が有する還付金債権」と「当該還付金発生原因となった債権と同種の債権以外の債権」との相殺は許されないと考える。
ということでよいかと思います。単純に。

ところで、なんでそういう扱いにするんだろう?に関してですが、私見では、時効に援用を要しない制度の裏返しじゃないかと思うんです。
時効の援用を逐一確認することは、理念的には正しいけれど、実務的には煩瑣に過ぎる。
昔書いたんですけど、だいたい、こういうお話。
 時効による消滅
 http://hanshoblog.blog50.fc2.com/blog-entry-40.html

で、相殺のほう、現行の条文はこうですが、

 (地方税に関する相殺)
第二十条の九 地方団体の徴収金と地方団体に対する債権で金銭の給付を目的とするものとは、法律の別段の規定によらなければ、相殺することができない。還付金に係る債権と地方団体に対する債務で金銭の給付を目的とするものとについても、また同様とする。

「相殺することができる。」だったらどうか。
できる以上、他の債権を探して、還付金を充てようとしますわね。例えば、相手が取引のある文具屋さんだったら、未払いのボールペン代と相殺する。
まあ、やってできなくはないのでしょうが、数多の還付金について逐一確認するとなると、ちょっとキツイのではないでしょうか。
…って、判決で言われてるじゃないかorz(No.26427のレス)

とまあ、そんなことを感じております。


余談をいくつか申し上げれば、

還付充当を相殺ということに、違和感を覚えます。
経理上は、それぞれの額のまま処理しているのであって、差額になるわけじゃないので。
総計予算主義的な要請でもあるんでしょうけど、民法の相殺とは区別すべきなんじゃないかという感があります。

また、行政側から他種債権に充てることは禁止されているとしても、相手方からの要請のもとに、還付した現金を取りおいて代理で入金扱いする行為(経理上はあくまで還付&入金)であれば、構わないんじゃないかと思いたいです。

あと、条文が「できない」であること。「してはならない」ではないことに、何か見出すべきものがあるのではないでしょうか。
※できない…権能がないこと してはならない…一般的な禁止

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