半鐘の半死半生

社会に警鐘を鳴らす…わけもなく。

地方交付税の退屈

「交付税を削るわよ!」
「ふーん。で、何を削るんだ、その交付税の」
解ってはいたが訊いてみた。
「人件費に決まってるじゃない!」
「地方の意思はどうなるんだろう」
「補正予算を組む必要があるわね」
例によって自分に都合の悪い話が耳に届かない奴である。


妄言に付き合うのも業腹だが、ニッチな話題を綴る物好きというのが、どうやらこのブログの役回りらしい。実をいうと、報道を見てつい試算してしまったものだから、書かないとなんとなくもったいないというのが正直なところだ。まあ、俺が書かずとも、財政の担当者に聞けば教えてくれる程度の話だけどな。(cv.杉田で)



国家公務員給与の削減にならい地方公務員給与も削減すると仮定した場合の、地方交付税への影響額とはどのくらいだろうか。

まず、「地方公務員の給与に充てる地方交付税」。

んなもん、あるか。

普通交付税が、標準的な収入と標準的な支出との差の補てんである以上、特定の○○に充てる交付税というものは存在しない。

これでは話が続かない。

ええと、標準的な支出に含まれる給与費相当額というのなら、ある。
例えば、市(人口10万人のモデルケース)におけるごみ処理や分別収集等にかかる費用は約6億5千万円であり、そのうち給与費は約2億3千万円と積算されている。
これが、10%削減されるなら、2300万円ほど費用がかからなくなる。細かくいうと、給与費には退職手当が含まれていたりするから、そうした部分を除くと約2000万円といったところか。

さて、普通交付税で標準的な支出を算出する方法は、人口×単位費用である。
ごみ処理等の費目(清掃費)では、単位費用は5810円だが、経費が2000万円ほど下がるなら、単位費用も200円ほど下がる。
ということで、人口×「単位費用の差額」、が影響額ということになる。

これを各費目ごとにチマチマとやっていくと割と正確な影響額を出せるが、いかにも面倒なので概算の方法をいうと、基準財政需要額(総額)×2.3%、を影響額とみていい。
100億円の団体であれば、交付税が2億3千万円、減る。
1000億円の団体であれば、交付税が23億円、減る。
すごいね、各地で悲鳴が上がりそうだ。

逆に国は、それだけ、地方交付税交付金を出さなくていい、というわけだ。

ところが、そうは問屋が卸さない。どこが問屋だとかは、つっこまないでくれ。

地方交付税交付金の額は、実はぜんぜん足りてない。
国税5税からの拠出金では、地方の収入と支出の差を賄えていないのだ。
そこで、特別な地方債を認めたり、交付税特別会計の借金の返済を先延ばししたりして、帳尻を合わせている。
したがって、よしんば地方の支出額が下がっても、その分、特別な地方債をやめて現金で配ったり、予定どおり借金を返したりする方に使うことができる。というか、そうするのが理。

そんなわけで、国が地方交付税交付金を出すのを減らす理由などひとつもないのである。


2.3%=地方財政計画における給与関係経費(退職手当以外)190,961億円×0.1÷歳出総額825,054億円から

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