半鐘の半死半生

社会に警鐘を鳴らす…わけもなく。

通年議会と一事不再議

現在国会に提出されている地方自治法改正案では、通年議会の導入が盛り込まれています。
通年議会について既に各地で動きがあることは、みなさま御承知のとおり。

さて、通年議会を導入するに当たってひとつ気になるのが、一事不再議の問題です。
いったん否決されたら、1年経たないと再提案できないことになってしまうけど、それでいいのか? いいわけありません。
この点、導入団体では、次のように対応されたようです。

白老町議会会議規則

 (一事不再議)
第9条 議会で議決された事件については、同一会期中は、再び提出することができない。ただし、事情の変更があったときは、この限りでない。


栃木県議会会議規則
(「栃木県議会会議規則の一部を改正する規則」による改正後)

 (一事不再議)
第十六条 議会で議決された事件については、同一会期中は、再び提出することができない。ただし、事情の変更があるときは、この限りでない。


ただし書ですね。
うまい言い回しだな、と思うとともに、妥当なところだと思います。

ちなみにですが、片山善博氏が総務大臣当時、次のような考え方を示されておりまして、これが実に参考になります。

片山総務大臣閣議後記者会見の概要(平成23年6月24日)
http://www.soumu.go.jp/menu_news/kaiken/02koho01_03000196.html

国会延長と一事不再議の原則

問:すみません、別件なのですけれども、今回、国会70日の延長が決まりましたけれども、一部には、通年化するべきという声があって、通年化した際に、現行の不信任決議などの一事不再議原則について齟齬が出てくる可能性がありますけれども、現状も踏まえて大臣は見直しの必要性についてはどのようにお考えなのかお願いします。

答:何の見直しですか。

問:一事不再議原則ですね。通年化した場合とかは、若干齟齬が出てくる可能性もあるので。

答:これはですね、別に、何かの憲法の条項に基づいて決まっていることではないのですね。一事不再議というのは慣例で出来上がっている運用上の仕組みでしょうから、それは当事者の皆さん方が国会においてですね、どういう取扱いにするのがいいのかということを相談されるのがいいと思いますけれども。そうですね、一つはですね、みだりに1回決めたものをね、1回決めたものをまた蒸し返してやり出すと、これは不信任の議決だけではなくてですね、その他の法案の処理にしてもそうなのですけれども、一旦決めたものをまた蒸し返して同じ国会の中で反対の議決をするということになると、これは安定性とか信頼性を欠きますので、やはりおのずから節度があるのだろうと思いますね。それで、今は、国も地方議会もそうです、国会も地方議会もそうですけれども、一つの会期では1回議決したものは二度と蒸し返さないという、これが一事不再議で、これはこれで合理性があると思いますね。ただ、例外的にはですね、事情変更の原則というのはあるだろうと思いますから、それをどの程度まで考えるかということですね。例えば、一つ法案を作りましたと、その後、大地震があって、先に議決をした法案をもう一回変えなければいけないなんていうことになるとですね、厳密な意味での一事不再議の否定になるかどうかということは議論があるかもしれませんけれども、同じことを2回決を採るということはあり得るのだろうと思いますから、だから、事情変更の原則というものがどこまで許容されるかという、そういう議論を検討されたらいいのではないでしょうかね。それから、もう一つは、もっとさかのぼってですね、会期制をどう考えるかということもあるのですね。例えば、地方議会のレベルで言うと、世界の多くの国、私も全部知っているわけではありませんけれども、多くの国を見ると会期がない国が多いのですよね。任期はあるけれども、会期がない。だから4年の任期で選出されたらば4年間ずっと、議会はずっと開かれているというところがあるのですね。そうなりますとね、一事不再議の原則というのは、これはあり得ないですよね。1回決めたら4年間全然変えられないということは、これはまた合理的ではありませんからね。だから、一事不再議というのは会期制といわばセットになっているわけで、会期制をやめれば、一事不再議の原則というのはおのずから消失するわけですね。そうすると、さっき言われた通年議会にした場合、通年国会にした場合はどうかと言いますとですね、会期をやめたのと似たようなものですから、通年国会というのは、そうすると、一事不再議のこれまでの会期と不即不離の、会期制と不即不離の間柄にある一事不再議というのも意義が薄れる、見直されてしかるべきと、こういうことになるのだと思いますね。


法改正の暁には、標準規則も出ると思いますが、イメージトレーニングということで。

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この記事のコメント

法規屋のくせがぬけませんねえ。

通年議会を実施している四日市市議会では、市議会会議規則第14条で、「議会で議決された事件については、同一議会期間中は再び提出することができない」としています。「議会期間」という定義で、これまでの「定例会」等の期間としているようです。
2012-04-09 Mon 11:56 | URL | g@yyt [ 編集]
いえいえ、在庫処分ですよ。

>四日市市
把握しております。
2012-04-09 Mon 22:14 | URL | 半鐘 [ 編集]

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