半鐘の半死半生

社会に警鐘を鳴らす…わけもなく。

不思議時空

法定受託事務がらみで、小ネタをひとつ。

地域主権一括法により、家庭用品品質表示法に基づく指示、公表、立入検査等の事務が、市に移譲されることとなりました。

ところが、この法律、ちょっと様子がヘンなんです。

家庭用品品質表示法(昭和37年法律第104号) ※現行の条文です。以下同様

(権限の委任)
第二十三条  内閣総理大臣は、この法律による権限(政令で定めるものを除く。)を消費者庁長官に委任する。
2  この法律の規定により経済産業大臣の権限に属する事項は、経済産業省令で定めるところにより、経済産業局長に行わせることができる。

(都道府県が処理する事務)
第二十四条  前条第一項の規定により消費者庁長官に委任された権限及びこの法律に規定する経済産業大臣の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。


することができる、とな?

家庭用品品質表示法施行令(昭和37年政令第390号)

(都道府県が処理する事務)
第四条  法第二十三条第一項 の規定により消費者庁長官に委任された権限(以下この条において「長官権限」という。)に属する事務のうち、法第四条第一項 の規定に基づく指示、同条第三項 の規定に基づく公表、法第十条第一項 の規定に基づく申出の受理、同条第二項 の規定に基づく調査及び法第十九条第二項 の規定に基づく報告の徴収に関する事務であつて、販売業者(卸売業者を除く。)でその主たる事務所及び店舗が一の都道府県内のみにあるものに関するものは、当該都道府県知事が行うこととする。ただし、法第四条第三項 の規定に基づく公表及び法第十九条第二項 の規定に基づく報告の徴収に関する事務にあつては、消費者庁長官が自らその事務を行うことを妨げない。
2  長官権限に属する事務のうち、法第十九条第二項 の規定に基づく立入検査に関する事務であつて、販売業者(卸売業者を除く。)に関するものは、その店舗、営業所、事務所又は倉庫の所在地を管轄する都道府県知事が行うこととする。ただし、消費者庁長官が自らその事務を行うことを妨げない。
3  都道府県知事は、第一項の規定により法第四条第三項 の規定に基づく公表に関する事務を行おうとするときは、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ消費者庁長官に協議しなければならない。
4  都道府県知事は、第一項又は第二項の規定により法第四条第一項 の規定に基づく指示又は法第十九条第二項 の規定に基づく報告の徴収若しくは立入検査に関する事務を行つたときは、内閣府令で定めるところにより、その結果を消費者庁長官に報告しなければならない。
5  第一項本文及び第二項本文の場合においては、法中第一項本文及び第二項本文に規定する事務に係る内閣総理大臣に関する規定は、都道府県知事に関する規定として都道府県知事に適用があるものとする。


国の事務を都道府県に委任しているように読めます。しかも、それをするかしないかは、政令で決めることができるという。地方は国の出先だとでもいうのでしょうか。

ところがこの事務、地方自治法別表に(施行令別表にも)定めがありませんので、自治事務ということになります。「消費者庁長官が自らその事務を行うことを妨げない」自治事務って、なんなんでしょうか。


さらに悩ませてくれるのは、ほぼ同じ構造でありながら、法定受託事務のものがあることです。

消費者安全法(平成21年法律第50号)

(権限の委任)
第二十三条  内閣総理大臣は、前条第一項の規定による権限その他この法律の規定による権限(政令で定めるものを除く。)を消費者庁長官に委任する。
2  前項の規定により消費者庁長官に委任された前条第一項の規定による権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事又は消費生活センターを置く市町村の長が行うこととすることができる。

(事務の区分)
第二十四条  前条第二項の規定により地方公共団体が処理することとされている事務は、地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号 に規定する第一号法定受託事務とする。


こちらも、選択権があります。ただし、委任したものは法定受託事務、だそうで。
委任するかしないかで、法定受託事務か国の事務かが、変わるとな?

消費者安全法施行令(平成21年政令第220号)

(都道府県知事又は消費生活センターを置く市町村の長が行うこととすることができる事務等)
第九条  法第二十三条第二項 の規定により都道府県知事又は消費生活センターを置く市町村の長(以下この条において「知事等」という。)が行うこととすることができる事務は、法第二十二条第一項 の規定により、当該都道府県又は市町村の区域内に事務所、事業所その他その事業を行う場所が所在する事業者に対し、報告を求め、当該場所の立入調査及び質問をし、並びに物品を集取する事務の全部又は一部とする。
2  消費者庁長官は、法第二十三条第二項 の規定により、前項に規定する事務を知事等が行うこととする場合には、当該知事等が行うこととする事務の内容を明らかにして、当該知事等がその事務を行うこととすることについて、あらかじめ、当該知事等の同意を求めなければならない。
3  知事等は、前項の規定により消費者庁長官から同意を求められたときは、その内容について同意をするかどうかを決定し、その旨を消費者庁長官に通知するものとする。
4  消費者庁長官は、法第二十三条第二項 の規定により第一項 に規定する事務を知事等が行うこととした場合においては、直ちに、その旨及び当該知事等が行うこととする事務の内容を官報で告示しなければならない。
5  知事等は、法第二十三条第二項 の規定により第一項 に規定する事務を行ったときは、消費者庁長官に対し、その旨及びその内容を報告するものとする。
6  消費者庁長官は、法第二十三条第二項 の規定により第一項 に規定する事務を知事等が行うこととなった場合においても、自ら当該事務を行うことができるものとする。
7  第二項から第四項までの規定は、消費者庁長官が法第二十三条第二項 の規定により知事等が行うこととした事務の内容を変更し、又は当該事務を知事等が行わないこととする場合について準用する。


法定受託事務は、(私的には不本意ながらも)地方の事務ですので、常態では国の指揮下にはないはずなのですが、どうもそうではないようです。

反面、法定受託事務にもかかわらず、その受託に関し、同意制があります。地方が選べるんだ!?
これは、ある意味とても先進的なしくみです。ぜひ、他の法定受託事務にもスタンダードで備えていただきたいものです。


この2つ、自治事務であれ、法定受託事務であれ、あるいは、それはそれ・これはこれでなのだとしても、とっても不思議でなりません。(国の事務のまま任意委任、というのが割と近いのかなと思うのですが、そんな整理はありましたっけ?)


追記(5/28)
補助金適正化法も「行うこととすることができる」とするタイプでした。政令において同意制になっており、消費者安全法のほうのパターンです。一応、法定受託事務ということになってはいますが、これ、「地方の事務」なの?

一言 | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<法定受託事務#(しゃーぷっ) | HOME | 自分の仕事は自分のお金で>>

この記事のコメント

コメントの投稿















コメント非公開の場合はチェック

この記事のトラックバック

| HOME |