半鐘の半死半生

社会に警鐘を鳴らす…わけもなく。

住民投票条例における主語

住民投票を担当するのは、実際のところは、選挙管理委員会になります。
そんなものだから、条文中の主語も、次のようにしてあるものが多いです。

□□市住民投票条例
 (投票資格者名簿の調製等)
第7条 選挙管理委員会は、投票資格者の名簿(以下「投票資格者名簿」という。)を調製し、保管しなければならない。
(以下略)

条例は、地方公共団体の制定するもので、市長の制定するものではありません。(提案と混同しないよう。為念)
そういう意味では、はじめから行政委員会に仕事を割り振るのは、なくもない話です。

ただ。
このタイプの条例では、次の一条がセットになっていることがほとんどかと思います。

 (住民投票の執行)
第5条 住民投票は、市長が執行するものとする。
2 市長は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第180条の2の規定に基づき、その権限に属する住民投票の管理及び執行に関する事務を□□市選挙管理委員会(以下「選挙管理委員会」という。)に委任するものとする。

つまり、条例で直接事務を振り分けているのではなく、自治法に基づく委任で行っているのだという。
私は、ここに、妙に、違和感を覚えてしかたがありません。

地方自治法の当該条文はこう。

第百八十条の二  普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務の一部を、当該普通地方公共団体の委員会又は委員と協議して、普通地方公共団体の委員会、委員会の委員長、委員若しくはこれらの執行機関の事務を補助する職員若しくはこれらの執行機関の管理に属する機関の職員に委任し、又はこれらの執行機関の事務を補助する職員若しくはこれらの執行機関の管理に属する機関の職員をして補助執行させることができる。但し、政令で定める普通地方公共団体の委員会又は委員については、この限りでない。

協議は、機関どうしで行うものであり、整わないことだってあるでしょう。いずれにせよ、協議は本来、条例の「外」で行われるはずです。
なのに、条例で委任すると規定する。協議が整うことが既定になっている。
もっとも、条例が通らなければ長の権限に属する住民投票事務も存在しないわけで、協議も何もありませんから、これはこれでジレンマです。

委任を条例に明記するのは悪いのかといえば、そこまでいうつもりもございません。
私は私の「ひっかかり」をどうしたものかと、考えあぐねているといったところでしょうか。

しかし、私の「ひっかかり」を見透かしたかのように、こういう規定例もあるのですよね。

△△市住民投票条例

 (投票資格者名簿の調製)
第15条 市長は、規則で定めるところにより、投票資格者名簿(第12条第5項の規定による告示の日の前日(同条第6項の規定により住民投票の期日を変更する場合にあっては、市長が別に定める日)現在(投票資格者の年齢については、住民投票の期日現在)の投票資格者を登録した名簿をいう。以下同じ。)を調製しなければならない。
(以下略)


住民投票に係る事務の△△市選挙管理委員会等への委任について

   住民投票に係る事務の△△市選挙管理委員会等への委任について
 地方自治法(昭和22年法律第67号)第180条の2の規定に基づき、△△市住民投票条例(略)及び△△市住民投票条例施行規則(略)に規定する市長の権限に属する事務を市選挙管理委員会及び市選挙管理委員会の委員長(中略)に委任したので、次のとおり告示します。
(以下略)


好きだな、こういうの。
私の「ひっかかり」も、あながち悪くはない、のかな?


追記(6/6)
この違和感なんですが、規則において、いっそう大きくなります。

 選管に委任したのなら、市長は規則を作っていいの?

もちろん、条例が細部を規則に委任しており、また、もともと市長の事務であることからすれば(ついでに、選管が「規則は」制定できないことも踏まえれば)、あながちおかしくもないのですが。
ただ、委任したのか、してないのか、どっちなのよ? という収まりの悪さがですね、どうにもつきまとうのです。

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