半鐘の半死半生

社会に警鐘を鳴らす…わけもなく。

re:非嫡出子の相続の判例変更と寡婦控除

ブログ「条例における理窟と人情」で、

 非嫡出子の相続の判例変更と寡婦控除
 http://amutagaw.blog.fc2.com/blog-entry-178.html

の話がありましたので、自分も寡婦控除について思うところを少々。(少々といいながら、引用が超大量です。)

101回 - 衆議院 - 予算委員会 - 17号
昭和59年03月05日

○大出委員 主として公務員賃金に関しての御質問を申し上げたいのでありますが、その前に、身近に非常にお気の毒な方がおいでになりますから、大蔵大臣に最初にちょっと承っておきたいのでありますが、所得税法に基づきまして寡婦という定義がございます。私も家内を亡くしましたから夫の方の寡夫でございますけれども、夫の方の寡夫じゃなくて女性の方の寡婦、これは所得税法第二条三十一号に定義がございますけれども、平たく申し上げますというと、死別、生別ということになります。分かれておりますね。
 読み上げておきましょうか。
 イ 夫と死別し、若しくは夫と離婚した後婚姻をしていない者又は夫の生死の明らかでない者で政令で定めるもののうち、扶養親族その他その者と生計を一にする親族で政令で定めるものを有するもの
 ロ イに掲げる者のほか、夫と死別した後婚姻をしていない者又は夫の生死の明らかでない者で政令で定めるもののうち、合計所得金額が三百万円以下であるもの
 つまり、夫婦別れをした、どうも御主人が酒ばかり飲んでいてどうにもならぬというようなことで、その場合は生別でありますけれども、扶養親族がおりまして、娘さんなら娘さんを育てておりますと寡婦控除がございますですね。ところが、これがお嫁さんに行ってしまうというようなことになりますと、途端に寡婦控除がなくなってしまう。ところが、死別の場合でございますと、寡婦控除がくっついている、こういうことになる。これはまあ生い立ちその他あるようではありますけれども、調査室に聞いてみましても、余り議論が行われていないとおっしゃる。
 同じ職場に死別された方がおり、生別の方がおり、十万足らずの給料でございまして、片方は寡婦控除が旧法で言えば二十二万あるわけであります。この矛盾、これは大蔵大臣、何とか直す気がございませんか。

○竹下国務大臣 専門的にわたりますので、主税局長からお答えさすことをお許しいただきたいと思います。

○梅澤政府委員 ただいま委員が御指摘になりました寡婦控除でございますが、これは昭和二十六年でございますか、二十七年ですか、創設された制度でございます。
 創設当初は、扶養親族あるいは子供さんを抱えて生計の柱であった御主人が亡くなったり、あるいは離婚されたというふうな状況になったときの担税力の減殺要因という観点から、この控除が設けられたわけでございます。その後いろいろな議論の経過をたどりまして、昭和四十年代以降、子供さんが大きくなった場合でも、やはり寡婦に何らかの控除を認めるべきではないかという議論がございまして、いろいろな議論の経過の結果、今の制度は四十七年の改正でできたわけでございます。このときには、委員がおっしゃいますように、現行の制度でございますけれども、死別の場合に実は限定されておるわけでございますね。つまり、だんなさんが亡くなった場合の寡婦に限ってこの控除を認める、しかも当時は百五十万円でございましたが、所得制限の要件もついてございます。
 この考え方は、冒頭に申し上げましたように、寡婦控除というのは、寡婦という状態になった結果、租税の負担力に対する減殺要因が、何らかの格好で、ある。扶養親族とかお子さんがある場合は、もちろんそれなりの出費があるわけでございますが、四十七年の段階で、特に死別の御主人の場合だけに寡婦控除を認めましたその立法の理由といたしましては、御主人と死別された場合でも、それから子供さんが既に大きくなってその方の掛かりがなくなった場合でも、御主人の実家の方とのいろいろなおつき合いで掛かりがかかるだろう、そういう付加的な出費の要因を考慮して、今の控除を認めるということになっているわけでございます。
 いろいろ御議論があると思いますけれども、離婚の場合についても寡婦控除を認めるということになりますと、所得税の議論といたしましては、子供さんも一人前になった、もとの御主人の実家とのいろいろなおつき合いもない、特別の出費の要因というものがないということになれば、通常のいわゆる独身女性と租税の負担力という単位では全く同じ問題になるわけでございますから、そういうバランスの観点から見ても、離別の場合の寡婦控除というのはなかなか税の議論としては入りにくい、こういうことではなかろうかと思います。。



104回 - 衆議院 - 予算委員会第二分科会 - 1号
昭和61年03月06日

○金子(み)分科員 ぜひ期待したいと思います。これから一つお尋ねする問題も含めて、新しい税制の中へ入れていただきたいと思うわけです。
 それは何かと申しますと、具体的に申し上げますと、二組の母子家庭を例に挙げてお話をして御意見をいただきたい、お考えを聞かせていただきたいと思うのですが、母子家庭と申しましてもいろいろな種類があるわけです。私が申し上げようと思っておりますのは二組で、これは父子家庭も同じだと思うのですよ、父と子というのがございますからね。いずれにいたしましても片親です。ただ、代表的なのが母子なものですから、つい母子というのが出てまいりますけれども、片っ方の家庭は母は寡婦。死別、離別、いずれにいたしましても寡婦ですね、寡婦と子供。片っ方は結婚していない母親、非婚ですね、非婚の母と子供。こういう二組の家庭がある。これに対する税の問題が大変に違っているという問題を申し上げたいわけなんです。
 所得税法を見ますと、寡婦に関しては規定がございますね。いろいろな規定がありまして、大変に配慮をされているいろな種類の控除もあるようでございます。ここで控除のことを一つ一つ取り上げるつもりはございませんけれども、寡婦控除というのはいろいろなところに出てまいりますので、これは特別に配慮されているなということがよくわかるわけです。寡婦に対する税の控除規定はありますけれども、非婚の母に対してはないのですね。何もない。では、その非婚の母はどういうふうになっているかと申しますと、これは一般の基準で納税するようになっているわけですね。所得税法の中でそのことがはっきりするわけでございます。
 そこでお尋ねしたいのは、寡婦と非婚の母との間になぜ違いがあるのかということなんです。なぜ相違が存在しているのか。母と子との生活に変わりはないわけなので、実態としては変わりはないと思うのですけれども、寡婦についてはいろいろな控除が図られていたりしているのはなぜかというのが、一つお伺いしたいことなんです。
 そして、そんなことを言っても抽象的だとおっしゃれば具体的に申し上げてみたいと思いますことは、たまたま私の手元にございます事例ではどちらも年収三百万円以下ですから、どっちも国税はないのですね。ですから、結局あとは市町村民税、地方税になるわけでございますが、地方税は大蔵省知らないよとおっしゃられると困るのですけれども、この地方税でいきますと、寡婦については百万円以下の収入だと非課税になっているのですね。ですけれども、非婚の母の場合はそれがございません。ですから課税の対象になっているという一つの違いがございます。
 具体的に申し上げますと、手元に参っております資料では二人とも保育園の保母さんなんですけれども、片っ方は寡婦です。片っ方は非婚です。この場合に、非婚のお母さんの場合は収入が百二十六万で子供が一人でございまして、東京の人ですから区民税、都民税、そんなものを合わせて八千円ぐらい納税しております。その場合に、区役所なんかの説明によりますと、非婚の母親に対しては、子供が一人あれば百十三万円から課税の対象になる、それから寡婦の場合ですと、同じ状態であっても百六十万円から課税の対象になる。ここで課税対象の課税最低額が違っているわけなのですね。このほかに寡婦の場合は控除がつきますからまた違ってくるわけですね。かなり有利になるのですけれども、今ここで控除の話までは言わないことにいたしますが、これは特別の御配慮と思って考えますが、私が伺いたいことは、課税最低額がなぜ違うのかということが知りたいのが一つです。なぜ違わせてあるのかということです。差別じゃないかという感じがするぐらいなんです。
 それから、これは地方税ですから、都道府県の各自治体が条例で決めるわけなんですね。条例で決めるということになっておりますが、国からはそれに対して何か御指示があっているのかないのか。例えば行政指導か何かでどんなふうにしろとかこんなふうにというふうなことがあるのかないのかということも知りたいわけです。もしそれがないとすれば、全くもう自治体が任意にやっている、こういうふうに解釈できるわけですから、対象は自治体ということになるのかと思うのですけれども、仮にそうだとしても自治体でそのような差別をつけているこれに対して、国として、大臣としてどういうふうにお考えになるのか。差別があるのは当たり前だとお考えになるのか、あるいは差別をするのはおかしいじゃないか、同等にするべきじゃないかとお考えになるか、その辺を聞かせていただきたい。

○大山政府委員 まず、事実関係につきまして私から御説明をさせていただきます。
 例えば親が子供を持つ、その場合に子供さんに対しては扶養控除というものがあるわけでございます。親と子という関係で税としてどう取り扱われるかというのは、親に対して基礎控除、子供に対して扶養控除、そういう世界で税法は仕切っているわけでございます。
 そこで、もう一つ違いますのが寡婦、それからお子さんがいるような場合、この場合には寡婦控除という制度がございまして、国税では二十五万円でございます。これはその時点まで夫がいて、夫に家計を支えられていた婦人及び子供あるいは家庭と申してよろしいかと思いますが、それが急に夫に先立たれて、そこで自分は子供を抱えて仕事を探さなくちゃならない、それからまた夫の位牌を守らなくちゃならないというようなことから、特別の控除として寡婦控除二十五万円が控除できるという制度になっているわけでございます。したがいまして、子供を扶養するという点では配慮があるわけでございますが、もう一つ夫に先立たれた場合には、位牌を守るとか急に柱を失った、仕事を探すというような点への配慮から、終戦直後でございますが、寡婦控除が認められた。その分が今二つの例の課税最低限の違いとなってあらわれているものでございまして、寡婦控除制度のよしあしということになろうかと思いますが、ただいま申しましたような趣旨で設けられております寡婦控除制度でございますということを御理解いただきまして、この違いというのはそういうことで説明がなされるものと思っております。
 もう一点、条例の点についてのお尋ねでございましたが、条例のもとになりますのは地方税法でございます。これは自治省の所管の法律でございますので、私から御説明をいたしますのもなんでございますが、地方税法に根拠を持ちまして、それに基づきまして条例が定められているということで、必ずしも勝手気ままに各地方団体が定めているというものではないように私は理解をいたしております。

○金子(み)分科員 時間がもう余りありませんので、大臣、実はこの問題は昨年の予算委員会のときに一般質問の時間で私は取り上げまして、この税金の問題を取り上げたのじゃないのです、そのときは児童扶養手当の問題だったのです。両方の家庭に児童扶養手当をつけてずっと今まで来ているわけです。それを六十年度の予算から、非婚の母と子供には児童扶養手当をつけない、切り捨てるという厚生省の御方針だったのです。そのことが表面には書いてないのです、法律その他には。ただ説明を受けたらそういうことだったことがわかった。その分が予算的にも削られているのです。それでそれを委員会で私は質問いたしました。なぜ落とすのか、母と子の生活に変わりはないじゃないか。そのときも今と同じような御説明をなさいましたよ。突然夫がいなくなったのだ、子供と二人残されちゃったので大変気の毒な状態になった、生活環境ががらり変わったからつけているのだ、こういうふうにおっしゃる。非婚の母の方は、これだって同じかもしれませんよ。結婚していないだけであって大勢としては夫はいないのかもしれないのですね。初めから働いているとも限らないわけですね、非婚の方だって。だから、そういう意味では両方が全く同じだと私は思うのです。それをそういうふうにして非婚の母子に対する児童扶養手当はつけないという方針をお出しになったのでびっくりしたのです。そんなことは全く差別じゃないか、何が理由だということを幾らお尋ねしてもきちっとした御回答はいただけなかったのです。それで、とうとう最終的にはそれはおかしいということを認めていただきまして、非婚の家庭の母子にも児童扶養手当は従来どおり変わらないで支給するというふうに決めていただいて今日に至っているわけなんです。私は、このことは今の税金の話も全く同じじゃないかと思うのです。
 そこで私は、大臣にお願いとそれからお考えとをあわせて申し上げたいと思うのです。今税制調査会でいろんなことを検討していらっしゃると先ほど伺いまして大変に期待が持てるのですけれども、税制調査会ではそんな細かいことまでは一々やらないとおっしゃるかもしれません。それもそうかもしれませんけれども、扱いとして寡婦の親子と非婚の親子とが税制上の相違があっていいとは思えないのですね、生活実態が全く同じなんですから。だからそこで区別をしないで同じような扱いになされるように図っていただきたいし、そのことについては、私がきょうは外しますと申し上げたいろんな控除の問題がございます。その控除の問題だって本来ならなぜ寡婦だけに控除をするのかというふうに申し上げたいぐらいです。しかし、その点は一応おくといたしましても、税金を納める問題については同じ立場で同じように納めさせてほしい。収入が違うかもしれません。収入が違えば、税金を納めるのには収入に従って比率がございますね、幾らまでは百分の幾つとかなんとかという基準がございますから、基準に合わせてすればいい。それは正しいことだと思っておりますけれども、最初から違えてしまうというところに非常に問題があると思いますので、その辺のお考えを大臣に聞かせていただきたい。言葉をかえて申し上げれば、すべてのものを含めた税に対する大臣の哲学みたいなものを短い時間で大変失礼でございますけれども、聞かせていただければありがたいというふうに思います。

○竹下国務大臣 今のお話、去年たしか児童手当のことで私も記憶しておりますが、そもそも所得税制では、配偶者でございますとかあるいは親族でございますとかいうものは基本的に民法上の概念に立っておるわけでございます。したがって、事実、婚姻関係のない人あるいは婚姻関係にありながら民法上の婚姻関係になかった場合の人もあり得るでございましょうから、事実上そういう関係があったのかどうかというのを正しく把握するというのはある意味においては個人のプライバシーにも関することではないかなというふうに考えますので、基本的に所得税制では配偶者とか親族とかの概念は民法上の概念によっておるという、そこのところの基本から議論する問題になるように今先生のお話を聞きながら私感じましたので、いましばらく勉強させてみてくださいませんか。税制上の組み立てが法律上どういう形でできるかということですね。至って頼りない話でございますが、私も税のプロじゃございませんので、ただ聞いた感じをお述べしただけでございます。


こういうのを見ますと、
寡婦控除という制度は、「婚姻関係があったがゆえに生じる事情」(≒変化)に着目していて、
母子家庭(ひとり親)という「世帯形態のみ」を見ているわけではない、と考えられます。
後者の要素からすれば、法律婚と非婚者で違うのは差別的に見えますが、
前者の要素からすれば、法律婚のみの事情が認められるので、一応は理由のある区別にも見えます。

もちろん、いまの世相に適合しているかどうかをはじめ、ツッコミどころがあるだろうことは否定しません。(ここではその議論はしません)
それでも、前述のとおり全く理由がないとは言えませんから、国会が違いを解消しない限りは、立法裁量のうちであって、自治体としては適法なものと扱うのが基本姿勢になります。
と言いつつも、今般の判決を機に、この際、税法も早急に整理していただいたほうがいいんじゃないかなとは思います。自治体が、みなすだ、みなさないだの矢面に立つのは以下略

一言 | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<題名を付する | HOME | 素数を数えて落ち着くんだ>>

この記事のコメント

コメントの投稿















コメント非公開の場合はチェック

この記事のトラックバック

| HOME |