半鐘の半死半生

社会に警鐘を鳴らす…わけもなく。

公契約条例

公契約条例について、自分の思うところをメモしておきます。
以前から取り上げたいなと思いながら、ずるずると今日になってしまいました。

さて、野田市での制定から早5年。
いまも各地で検討され、ときどき制定に至っているようです。

条例のタイプとしては2通りあって、
野田市型 と 川崎市型 があります。

野田市型というのは、公的な規制、義務の形態をとるもの(公権力的構成)。
社会規範型ともいえるでしょう。
違反に対しては、不利益処分がありえます。

川崎市型というのは、自団体の契約のありかたとして定めるもの(契約的構成)。
自己規律型ともいえるでしょう。
違反に対しては、契約事項としてのペナルティがあります。

ちなみに、
公的な規制、義務とすることが法令との関係で許されるかについては疑義があり、
ここを、内部の定めとすることで疑義を回避するとは、さすが政令市と思いました。
工夫ですねえ。

業者の対応としては、「嫌なら契約するな」ということになるわけですが、
川崎市型にあっては、業者が自由意思で条件に合意するかしないかを選択するのに対し、
野田市型にあっては、契約する者には一律に・否応なく適用される、
というニュアンスの違いがあります。(説明が下手ですみませんが、御容赦を)

さて、この件については国会で質問主意書も出されております。

 最低賃金法と公契約条例の関係に関する質問主意書
 http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/171/meisai/m171064.htm

で、これの答弁書を見ると、
一の1については 「問題ない」、
三については 「(法令に)違反するものであると考える」
となっており、どっちやねん、と思う方もいらっしゃるのではないかと思います。

一の1については、よく見ると、
>御指摘の「公契約条例」の具体的内容が必ずしも明らかでないが、
として、個別の検討を避けて一般論にすり替えていることに注意です。

その上で、もともと最低賃金法第4条第1項では、
>使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない。
となっているわけですから、この条文の趣旨の範囲内であれば問題ないということになります。

対して、異なる最低賃金を定めるに等しい行為となると、これは最低賃金法と競合します。
最低賃金を払わないと罰せられる、とは、同時に、
最低賃金さえ払えば罰せられない、でもあります。
最低賃金をクリアしていても、条例で定める額に満たなければ不利益が課される、のでは、法を没却することになりかねません。

というわけで、質問主意書については、
「問題ない」よりは、 「(法令に)違反するものであると考える」と受け止めるべきものでしょう。

以上は私見であり、解釈のひとつです。
己を信じて進む方は、どうぞ。


追記(10/14)

自治体法制執務雑感さんでとりあげていただきましたので付記しておきます。御参照ください。
 公契約条例 http://d.hatena.ne.jp/hoti-ak/20141004

野田市の条例に関しては、契約の枠内、との見方だそうです。
この点に関しては、私の見立てがバイアスがかかっている可能性も否定できません。各自御判断を。

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