半鐘の半死半生

社会に警鐘を鳴らす…わけもなく。

問う点

センター試験世界史Bで出題ミス、受験生が指摘(読売)
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150117-OYT1T50103.html

 世界史B「第4問」Cの「問8」(配点3)で、日本に影響を与えた中国の暦を作成した人物と時代の組み合わせを四つの選択肢から一つ選ぶもの。この暦は中国で元の時代に作られたが、日本で改訂されたのは清の時代。設問の読み方によっては解答の〈2〉「ア―元 イ―郭守敬」と〈4〉「ア―清 イ―郭守敬」の両方が正解で、どちらを選択しても正解にすることにした。


世界史B「第4問」はこちらから。
http://www.yomiuri.co.jp/nyushi/15/center/1/mondai/1207956_2046.html

安井算哲! 『天地明察』じゃないですか!!
びっくりした~。さておき、問8。

貞享暦は,中国の[ア]の時代に,[イ]によって作られた授時暦を改訂して,日本の実情に合うようにしたものである。


元例規屋の感性としては、
「時代に」の次に読点があると、「[ア]の時代に改訂し(た)」という文脈に採りたくなります。
「[ア]の時代に作られた」と採らせたいなら、少なくとも読点は打たない。
読点がないだけだとなお誤読の可能性が残るので、「作られた」か「授時暦を」の次に打つ。
もっとも、それでは文章として通りが悪いので、きちんとするならこんな感じ。

貞享暦は,中国の[ア]の時代に[イ]によって作られた授時暦を,日本の実情に合うように改訂したものである。


裏を返せば、最初からこう書かないで、あの文のあの位置に打ったということは、誤読を誘おうと(ひっかけようと)したのかな、と意地の悪い見方をしたくなります。
しかし、誤読する方が悪いというほどには、明白ではなかったということなのでしょう。疑わしきは、受験生有利で。

てなわけで、
読点の使い方は、文中の係り受けが明らかになるよう細心の注意を払うべきものであり、
そもそも、係り受けが明らかになるような文の構成・表現を追求すべきである、
という注意点がよくわかる事例でした。

特に、法令文では、不十分さがそのまま裁判沙汰にもなりかねませんから、よくよく吟味しましょう。

付け加えておくと、自分たちの常識においてはこう解釈する、というのが、実は、他者においてはそうでもない、という落とし穴がありますので油断がなりません。著作権の存続期間を巡る問題は、その一例です。

一言 | コメント:2 | トラックバック:0 |
<<広告欄 | HOME | 滅びの時を免れ、未来を与えられる自治体はひとつしか選ばれないんだ>>

この記事のコメント

なるほど、このように解説していただくと、そもそもこれはひっかけの意図を持ったものだったように思われますね。まさに明察。
2015-01-19 Mon 22:00 | URL | nao [ 編集]
ここに打っておけば誤読しないだろう、という「常識」が、裏目に出たというか甘かったという可能性も否定できません。真相は、どうなんでしょうね。
2015-01-19 Mon 23:57 | URL | 半鐘 [ 編集]

コメントの投稿















コメント非公開の場合はチェック

この記事のトラックバック

| HOME |