半鐘の半死半生

社会に警鐘を鳴らす…わけもなく。

読者と主人公と二人のこれから

『読者と主人公と二人のこれから』(岬鷺宮,電撃文庫)
http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892603-4/

愛読書の主人公(少女)が、現実に現れたら?
から始まるボーイ・ミーツ・ガール。
(実はその本のモデルだった、ということで、ファンタジーではありません)

話は、地味に、じわじわと進みます。
その先のほろ苦さは、いいねえ。大好物よ?
この設定ならではの、「理由」であって、主人公が抱いた「怖れ」はよくわかる。

人にプッシュするかどうかはともかく、私は気に入った。

ちなみに、読んでいて『東雲侑子』シリーズを思い出しました。
作中作が仕事するところも、共通点かな。



ついでに。

『追伸 ソラゴトに微笑んだ君へ』(田辺屋敷,ファンタジア文庫)
http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321610000800
http://fantasiataisho-sp.com/winners/ps/

>二学期初日。空虚な日々を送っていた俺、篠山マサキは混乱した。慣れた様子で教室へ突然現れたのは、俺の記憶にだけ存在しない少女。

知らない少女が現実に現れたら?
から始まるボーイ・ミーツ・ガール。
(なのでリアルものではないですね)

こんな話になるとは思わなかった、というのが感想。
終盤が特に。
読後感、よし。とういうわけで、これもよかった。

追伸 この記事を書いていて、続編が出ることを知りました。単巻できれいに落ちていて、続編向きには思えなかったので、意外。大丈夫かな。

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はじめての自治体法務テキスト

『はじめての自治体法務テキスト』(森幸二,第一法規)
https://www.daiichihoki.co.jp/store/products/detail/102757.html

ぎょうせい刊の『自治体法務の基礎と実践』と同工異曲的なものですが、
あちらが講義の再録的な趣であるのに対し、こちらはテキスト然とした体裁です。
(テキストなんだから当然か)
図表も充実していると思います。いっそうわかりやすい。

特に、8章「自治体の組織のしくみ」の、機関の説明などは、感覚的にわかりづらいところを、ていねいに説明していると感じました。これで「すっきりわかる」人もいるのではないでしょうか。
(ただ、「市」と「市長」の違いに意味はないなどと言われると、個人的には
(´・ω・`) となりますが)

基本的に良書と思う一方、前著と同様、純粋な初心者向けではないと感じます。
現にいる職員に対して、仕事を見直させるもの、といった感じです。
前著もそうでしたが、「君たち何やってんの」と責められている感がですね、ワタシら出来が悪いものですから、気になるといえばなる。
でも、だからこそ、日頃の事務における法的な考え方というものが伝わりそうとも思います。通り一遍の解説だと、実務とつながりにくい面がありますから。

とまあ、そんな具合でしたので、みなさま、お好みの方を(あるいは両方とも)、どうぞ。

追伸 編集さん、図表での誤植はチェックしてあげないと。

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手話を言語と言うのなら

更新滞ってすいません。地獄に付き合うの、私だ。


『手話を言語と言うのなら』(森壮也・佐々木倫子編,ひつじ書房)
http://www.hituzi.co.jp/hituzibooks/ISBN978-4-89476-829-1.htm

「手話を言語と言うのなら」

印象的かつ的確な言い回しだと思います。
私が抱えるモヤモヤをも表現してくれる、かのような。

本書は、日本手話の立場からの本です。
先日触れた、朝霞市の話も入っていました。

内容は、いろいろと参考になるとともに、条例化に求められる覚悟は半端なものではないな、と感じました。条例があるのが大事、では済まない。
また、条例化は、内容的に都道府県マターかな、とも思いました。教育・教員が問題となるならば。

読みたいものを読む、という私の確証バイアスを満足させる本でしたが、さて、反証側のいい本は、あるかな。

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新 法令解釈・作成の常識

『新法令解釈・作成の常識』(吉田利宏,日本評論社)
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/7416.html

法学セミナーで連載されていたものが、ようやく、ようやく発刊となりました。
『新法令用語の常識』とあわせ、手元にそろえておきたい、おくべき一冊と思います。

連載終了時にも書きましたけど、法律だけでなく、条例等にも触れているところがいいところです。

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青の数学

『青の数学』『青の数学2』(王城夕紀,新潮文庫nex)
http://www.shinchosha.co.jp/book/180072/
http://www.shinchosha.co.jp/book/180082/

数学に挑む高校生の物語。
ラノベかと思ったら、そうじゃなかった。
無印、2、とありますが、実質的には上下巻です。
なお、数学がわからなくても本筋は楽しめるようになってます(と思います)。

数学とは何か
なぜ数学をするのか
数学を続ける意味は

割と多い登場人物がいて、いろんな角度から、少しずつ炙り出されていく。
数学の話をしていると思ったら、いつの間にか青春の話になっていました。

圧倒的な才能の前に自分はどうするのか
勝ち負けとは
何かを続ける意味は

なるほど、確かにこれは青春小説だ。
数学の話は話としてちゃんとあるけれど、数学以外の何かにも通じる話でもある。

そうだなあ、例えば、法務・例規に通じた人(この界隈は10年選手も珍しくない)を前に、私なんかは太刀打ちできる気はしないわけですよ。じゃあ、去るべきなの? なぜ職を離れた現在も興味を持ち続けているの?
自分に照らしてみて、ふっと落ちたものがある。ああ、そうかと。

そんな、意外な気づきをもたらしてくれたこの本は、私にはよかった。
私もまだ青春してるのだな。

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自治体法務の基礎と実践

『自治体法務の基礎と実践』(森幸二,ぎょうせい)読了。
https://shop.gyosei.jp/products/detail/9303

通り一遍の解説ではなく、説いて聞かせるような筆致が特徴的です。
研修で、講師が説明しているかのような雰囲気、とでもいいましょうか。
その分、主張にクセを感じるところもありますが、御愛嬌ということで。

第2部基礎編の各章は
 はじめに
 まずは、考え方を身に付けよう!
 理解を深め、思い込みを解消しよう!
 おわりに~復習とさらなる理解のために~
第3部実践編の各章は
 はじめに
 まずは、制度を理解しよう!
 実務の改善のために
 おわりに~復習とさらなる理解のために~
という構成になっており、
誤解を排した正しい理解、を目指していると感じられます。
レベル的には、初心者でもいけますが、一度聞いたけどあやふやな人に向く、かな?
そんな印象です。

なお、近々、第一法規からも
『はじめての自治体法務テキスト』
https://www.daiichihoki.co.jp/store/products/detail/102757.html
が出る模様。
目次を見る限り、「基礎」の部分を中心とした別バージョンのようにも見えますが、こちらも注目したいと思います。

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プレップ法学を学ぶ前に

『プレップ法学を学ぶ前に』(道垣内弘人,弘文堂)
http://www.koubundou.co.jp/book/b155902.html

法学を学ぶ前に読むと効果絶大、法学の世界への垣根を軽々跳びこえるための入門書!


法学を学ぶ前に、というタイトルのとおり、入門の入門に当たる内容です。
(リンク先で目次をご覧あれ)
厳選された必要最低限なので、すっと入ると思いますし、よそ見をしなくて済みます。
法規担当を何年かやっていればどこかで知る内容ですが、
新任のときにはじめに読んでおくといいかもしれません。
お値段も良心的なので、手を出しやすいのがまた、よいです。

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重版未定

『重版未定』(川崎昌平,河出書房新社)
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309277882/

史上初!? 弱小出版社に勤務する編集者が主人公、リアルすぎる出版業界マンガ。ウェブの人気連載、待望の単行本化。
出版とは何か? 編集者とは何か? 編集業務から営業、書店、取次まで、赤裸々に描かれた出版界の内部事情。業界用語には詳細な注付き。出版に興味のある方・出版界に就職を希望する学生・出版関係者、必読の1冊。
単行本化にあたり用語注などを全面的に加筆修正し、ウェブ版では読めない描き下ろし漫画・コラムなど50ページ分を追加収録。


書店の店頭で見かけ、
マンガ『重版出来』にかぶせたようなタイトルなので、ん? と思いつつも、
パラパラとめくってみれば、なかなかリアルな内容で興味深い。

表紙イラストからして
「本なんて売れるわけないだろ」
と言ってますからね。

商品としての本を作られ方ってこうなのか、というのを知れて、おもしろかった。
日頃あれこれの本を見ていても、編集さんの存在なんて見えもしないわけですが、
こうして、世に出る本には編集さんが絡んでいるんだなァ、などと思うと、
御苦労さまです、と言いたくなったりはする。感謝々々。

もとはWEB連載とのこと。
http://dotplace.jp/archives/22465


さて、ついでにいくつか御紹介。

『春と盆暗』(熊倉献,講談社アフタヌーンKC)
http://afternoon.moae.jp/lineup/688(試し読みあり)

さえない男子たちが恋におちた。
よりによって相手は一筋縄ではいかない女子ばかり!
彼女は何を考えている?
——俺は、どうすりゃいい?
四季賞出身の新鋭が贈る、日常から生まれるドラマを切り取ったオムニバス恋愛譚。


すごくいい! と万人に勧めるものではないけれど、
ああ、こういうのって好きだなあ、いいなあ、と思わされる一品。
波長が合いそうでしたら、ぜひ!


『ふたり生徒会』(ゆずチリ・かとそん,小学館サンデーうぇぶりSSC)
https://www.shogakukan.co.jp/books/09127538

生徒会長兼書記兼会計兼庶務の清士郎くんと
生徒会副会長の水谷さん。

たったふたりだけの生徒会。
忙しかったり、そうでなかったり。
提案したり、試してみたり。

ふたりだけど、毎日楽しい。


WEBでも読めます。
https://www.sunday-webry.com/comics/futariseitokai/
ほのぼの。
WEBで読んだけど、感謝と応援を込めて、買い。


『平安系女子! 村崎さん!!』(黒野カンナ,講談社コミックス別冊フレンド)
http://kc.kodansha.co.jp/product?isbn=9784063920994(試し読みあり)
これは、つい、表紙買い(やめろよ

ライバルキャラの青少菜琴(せいしょうなごん)が、早朝ジョギングで一言、
「やっぱ冬はつとめてよね!」
などと、くすりとさせられるところがちょっとクセになります。
しかし、この絵の下手さはどうしたものか。人に勧めにくい(紹介してるけど

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春の呪い

『春の呪い』(小西明日翔,一迅社)、ようやく2巻が出ました。完結。やっと紹介できる。

1巻の末尾では、2016年初秋、の予定とあったので、ずいぶんと待たされました。
続きがこんなにも待ち遠しかったのは、近年なかったかなあ。
(続きが気になるといえば、『大正処女御伽噺』3巻も、かなり気になってましたけど、
あちらはペースどおりだったので)

お話はこう。

妹が死んだ。名前は春。まだ19才だった。
妹が己のすべてだった夏美は、春の死後、家の都合で彼女の婚約者であった柊冬吾と付き合うことになる。
夏美は交際を承諾する条件として、冬吾に、春と二人で行った場所へ自分を連れて行くよう提示した。
そうして、妹の心を奪った男と夏美の季節は巡り始める――。


試し読みはこちらで。
https://comic.pixiv.net/works/2234

話題になってたので1巻を読んでみたら、もう、ぐいぐいと引き込まれました。

こんな設定の話が、どう着地するのか。
恋愛ものだ(ろう)から、くっつくか、くっかないかの2択で、おそらくは前者の可能性が高いと思われるものの、どうやって?

苦いものしかないシチュエーションにおける、人の心情を読もうなんていうのは、むしろ読み手の側が悪趣味ですらある。
(と書いて、連城三紀彦氏の「恋文」が思い出されました。妻がいるのに余命わずかな元カノのもとに走る、でしたっけ? あれも大概な話ですよね)

結末は語りませんが、私は納得の終わり方でした。「呪い」の件も含めて。

ともあれ、かなりなインパクトを味わえた作品でした。
今年は、これと、「兎が二匹」に出会えたのがよかったな。



おまけ。
時節柄、ネット上には「今年のマンガ」的な記事が多数ありますが、
ワタクシ的には、上記のように「兎が二匹」「春の呪い」が強烈な印象でした。
あと、「AIの遺電子」「大正処女御伽噺」もよかった。「大正…」の3巻はよいぞ。

えー、それでですね、来年はぜひ、「BEASTARS」(ビースターズ)が注目されてほしいですね。
https://arc.akitashoten.co.jp/comics/beastars/1/tw_player
コミックス1巻は来月。

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星空のむこうの国

本屋の店頭で一冊の本を手に取りました。

  『放課後地球防衛軍1 謎の転校生』 (笹本祐一,ハヤカワ文庫JA)

目次を見ると……

 第一話 謎の転校生
 第二話 狙われた学園
 第三話 星空の向こうの国
 第四話 桶屋横町の地球防衛軍

謎の転校生、有名なあれですね
狙われた学園、これも有名なあれですね
で、
星空の向こうの国 とか待てやゴルァァァァァ
買う。いつ読むかわからないがとりあえず買う。きたない、やり口がきたないよ……

厳密には『星空のむこうの国』。小林弘利・著、集英社文庫コバルトシリーズ。
ロマンチックSFの傑作です。内容はよく思い出せないけど。(でも傑作なのは確かなんだよぉ)

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