半鐘の半死半生

社会に警鐘を鳴らす…わけもなく。

自治体法務の基礎と実践

『自治体法務の基礎と実践』(森幸二,ぎょうせい)読了。
https://shop.gyosei.jp/products/detail/9303

通り一遍の解説ではなく、説いて聞かせるような筆致が特徴的です。
研修で、講師が説明しているかのような雰囲気、とでもいいましょうか。
その分、主張にクセを感じるところもありますが、御愛嬌ということで。

第2部基礎編の各章は
 はじめに
 まずは、考え方を身に付けよう!
 理解を深め、思い込みを解消しよう!
 おわりに~復習とさらなる理解のために~
第3部実践編の各章は
 はじめに
 まずは、制度を理解しよう!
 実務の改善のために
 おわりに~復習とさらなる理解のために~
という構成になっており、
誤解を排した正しい理解、を目指していると感じられます。
レベル的には、初心者でもいけますが、一度聞いたけどあやふやな人に向く、かな?
そんな印象です。

なお、近々、第一法規からも
『はじめての自治体法務テキスト』
https://www.daiichihoki.co.jp/store/products/detail/102757.html
が出る模様。
目次を見る限り、「基礎」の部分を中心とした別バージョンのようにも見えますが、こちらも注目したいと思います。

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プレップ法学を学ぶ前に

『プレップ法学を学ぶ前に』(道垣内弘人,弘文堂)
http://www.koubundou.co.jp/book/b155902.html

法学を学ぶ前に読むと効果絶大、法学の世界への垣根を軽々跳びこえるための入門書!


法学を学ぶ前に、というタイトルのとおり、入門の入門に当たる内容です。
(リンク先で目次をご覧あれ)
厳選された必要最低限なので、すっと入ると思いますし、よそ見をしなくて済みます。
法規担当を何年かやっていればどこかで知る内容ですが、
新任のときにはじめに読んでおくといいかもしれません。
お値段も良心的なので、手を出しやすいのがまた、よいです。

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重版未定

『重版未定』(川崎昌平,河出書房新社)
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309277882/

史上初!? 弱小出版社に勤務する編集者が主人公、リアルすぎる出版業界マンガ。ウェブの人気連載、待望の単行本化。
出版とは何か? 編集者とは何か? 編集業務から営業、書店、取次まで、赤裸々に描かれた出版界の内部事情。業界用語には詳細な注付き。出版に興味のある方・出版界に就職を希望する学生・出版関係者、必読の1冊。
単行本化にあたり用語注などを全面的に加筆修正し、ウェブ版では読めない描き下ろし漫画・コラムなど50ページ分を追加収録。


書店の店頭で見かけ、
マンガ『重版出来』にかぶせたようなタイトルなので、ん? と思いつつも、
パラパラとめくってみれば、なかなかリアルな内容で興味深い。

表紙イラストからして
「本なんて売れるわけないだろ」
と言ってますからね。

商品としての本を作られ方ってこうなのか、というのを知れて、おもしろかった。
日頃あれこれの本を見ていても、編集さんの存在なんて見えもしないわけですが、
こうして、世に出る本には編集さんが絡んでいるんだなァ、などと思うと、
御苦労さまです、と言いたくなったりはする。感謝々々。

もとはWEB連載とのこと。
http://dotplace.jp/archives/22465


さて、ついでにいくつか御紹介。

『春と盆暗』(熊倉献,講談社アフタヌーンKC)
http://afternoon.moae.jp/lineup/688(試し読みあり)

さえない男子たちが恋におちた。
よりによって相手は一筋縄ではいかない女子ばかり!
彼女は何を考えている?
——俺は、どうすりゃいい?
四季賞出身の新鋭が贈る、日常から生まれるドラマを切り取ったオムニバス恋愛譚。


すごくいい! と万人に勧めるものではないけれど、
ああ、こういうのって好きだなあ、いいなあ、と思わされる一品。
波長が合いそうでしたら、ぜひ!


『ふたり生徒会』(ゆずチリ・かとそん,小学館サンデーうぇぶりSSC)
https://www.shogakukan.co.jp/books/09127538

生徒会長兼書記兼会計兼庶務の清士郎くんと
生徒会副会長の水谷さん。

たったふたりだけの生徒会。
忙しかったり、そうでなかったり。
提案したり、試してみたり。

ふたりだけど、毎日楽しい。


WEBでも読めます。
https://www.sunday-webry.com/comics/futariseitokai/
ほのぼの。
WEBで読んだけど、感謝と応援を込めて、買い。


『平安系女子! 村崎さん!!』(黒野カンナ,講談社コミックス別冊フレンド)
http://kc.kodansha.co.jp/product?isbn=9784063920994(試し読みあり)
これは、つい、表紙買い(やめろよ

ライバルキャラの青少菜琴(せいしょうなごん)が、早朝ジョギングで一言、
「やっぱ冬はつとめてよね!」
などと、くすりとさせられるところがちょっとクセになります。
しかし、この絵の下手さはどうしたものか。人に勧めにくい(紹介してるけど

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春の呪い

『春の呪い』(小西明日翔,一迅社)、ようやく2巻が出ました。完結。やっと紹介できる。

1巻の末尾では、2016年初秋、の予定とあったので、ずいぶんと待たされました。
続きがこんなにも待ち遠しかったのは、近年なかったかなあ。
(続きが気になるといえば、『大正処女御伽噺』3巻も、かなり気になってましたけど、
あちらはペースどおりだったので)

お話はこう。

妹が死んだ。名前は春。まだ19才だった。
妹が己のすべてだった夏美は、春の死後、家の都合で彼女の婚約者であった柊冬吾と付き合うことになる。
夏美は交際を承諾する条件として、冬吾に、春と二人で行った場所へ自分を連れて行くよう提示した。
そうして、妹の心を奪った男と夏美の季節は巡り始める――。


試し読みはこちらで。
https://comic.pixiv.net/works/2234

話題になってたので1巻を読んでみたら、もう、ぐいぐいと引き込まれました。

こんな設定の話が、どう着地するのか。
恋愛ものだ(ろう)から、くっつくか、くっかないかの2択で、おそらくは前者の可能性が高いと思われるものの、どうやって?

苦いものしかないシチュエーションにおける、人の心情を読もうなんていうのは、むしろ読み手の側が悪趣味ですらある。
(と書いて、連城三紀彦氏の「恋文」が思い出されました。妻がいるのに余命わずかな元カノのもとに走る、でしたっけ? あれも大概な話ですよね)

結末は語りませんが、私は納得の終わり方でした。「呪い」の件も含めて。

ともあれ、かなりなインパクトを味わえた作品でした。
今年は、これと、「兎が二匹」に出会えたのがよかったな。



おまけ。
時節柄、ネット上には「今年のマンガ」的な記事が多数ありますが、
ワタクシ的には、上記のように「兎が二匹」「春の呪い」が強烈な印象でした。
あと、「AIの遺電子」「大正処女御伽噺」もよかった。「大正…」の3巻はよいぞ。

えー、それでですね、来年はぜひ、「BEASTARS」(ビースターズ)が注目されてほしいですね。
https://arc.akitashoten.co.jp/comics/beastars/1/tw_player
コミックス1巻は来月。

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星空のむこうの国

本屋の店頭で一冊の本を手に取りました。

  『放課後地球防衛軍1 謎の転校生』 (笹本祐一,ハヤカワ文庫JA)

目次を見ると……

 第一話 謎の転校生
 第二話 狙われた学園
 第三話 星空の向こうの国
 第四話 桶屋横町の地球防衛軍

謎の転校生、有名なあれですね
狙われた学園、これも有名なあれですね
で、
星空の向こうの国 とか待てやゴルァァァァァ
買う。いつ読むかわからないがとりあえず買う。きたない、やり口がきたないよ……

厳密には『星空のむこうの国』。小林弘利・著、集英社文庫コバルトシリーズ。
ロマンチックSFの傑作です。内容はよく思い出せないけど。(でも傑作なのは確かなんだよぉ)

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友達いらない同盟

友達いらない同盟(園生凪,講談社ラノベ文庫)
http://kc.kodansha.co.jp/title?code=1000028715

タイトルがどうにも気にかかって購入。
しかもだ、積まずに読んでしまったよ。

まあ、ラノベだと、どうせ最後はキャッキャウフフに……あれ……なんだこの展開……

クセのあるキャラとお話でした。これは読む人を選びそうだなあ。
私には、この作品は合いました。ヒロインにわかりみある。

ネタバレせずに話すのは苦手なのでこのくらいにしておきますが、
これ、一味違いますよ。合う・合わないはともかく。

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きみにしか聞こえない

業務連絡。

「クレープを二度食えば」(とり・みき)
入手はできてませんが、読みはしました。ブラボー。ブラボーです。

「時の石」(栗本薫)
こちらは入手。不思議な味わいのある作品ですね。(あと、ここでは言いにくい感想もあります)

さて、ゴジラ、言の葉もあわせて、いろいろ語りたいので、kei-zuさん、ちょっと、体育館の裏までいいかな?(冗談です



私もみなさんにいくつか紹介したくなってきました。秋ですし、いろいろ取り混ぜて御紹介。

まずは、不思議な味わいから一点。
「Calling You」(乙一,『きみにしか聞こえない』(角川スニーカー文庫)所収。又は『失はれる物語』(角川文庫)所収)

私はケータイを持ってない。なぜなら、私には友達がいないから。だから毎日空想をして、憧れ続けていたある日。頭の中に鳴り響いた美しいメロディ。それは、同じさみしさを抱えた少年からのSOSだった……。



次に、ブラボーという観点?から一点。
「時が新しかったころ」(ロバート・F・ヤング,『時の娘 ロマンティック時間SF傑作選』(創元SF文庫)所収)
長編版もありますが、できがわからないので、こちらを推します。


便乗して、青春のドタバタから一点。
『ボンクラーズ、ドントクライ』(大樹連司,ガガガ文庫)

あの頃の僕らは、恋がどんなものかも知らなかった―。ネットもケータイもまだ馴染みがなかった1999年、とある片田舎の高校。主人公の肇とカントクは、夢だけは大きく「日本の特撮映画を変えること」だが、映画の撮影準備と称して憧れの特撮ヒーローになりきる「ごっこ遊び」に興じてばかりのボンクラ映画研究部。そんな「撮らない」映画研究部に、わけありの美少女が飛び込んできて―。男子ってやつは、バカで、むき出しで、まっすぐで、最低だけど最高だ。誰しもが通り過ぎる、恥ずかしく、苦く、痛々しい青春模様。

何かのラノベ紹介記事でチェックしてみたら当たりでした。ちょい苦(にが)なので、スカッとするのがいい人にはあまりおすすめしませんが、これはこれでいいものです。私は好きだ。


あと、これはどうしようかなあ。
『青い月の夜、もう一度彼女に恋をする』(広瀬未衣,双葉文庫)

ひとつきに二度、満月が見られるブルームーンの8月。17歳の僕は京都の嵐山にある祖母の家に帰省した。一度目の満月の夜、僕は森の中で、傘で泉の水をすくう少女と出会う。「ブルームーンが終わるまで、ここで初恋の人を待っている」と言う彼女。同い年なのにどこか不思議な彼女や、彼女と歩いた夜の京都に違和感を覚えながらも、僕は彼女に惹かれていくが―「ずっと君を、未来で待っている」運命の糸で結ばれた2人を描く、時空を超えた恋愛小説。

この手合いのは好きなので、いくつも積んであるわけですが、珍しく、早めに読みました。
話はよかった。いい読後感です。
難を言えば、内容が薄く感じられました。起伏の少ない小説も読んだことがありますが、そういうのとは違った「薄さ」なんですよね。ひょっとしたら、ラノベよりも薄いかも。
ともあれ、これは許す。終わりよければ、です。

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図解 よくわかる行政法のしくみ

『図解 よくわかる行政法のしくみ 第2次改訂版』(金子武史,学陽書房)
http://www.gakuyo.co.jp/book/b201282.html

おっ、改訂版だ。
少し前になりますが、店頭で見かけたので、購入しました。

図解シリーズは好きで、何冊か持っていますが、
中でも行政法は、人に説明するのにも重宝していました。

改訂版は、最初の版と比べると、記述量が増えたな、と思います。
前は結構「白い」紙面だったのが、そうでもなくなっています。
説明すべきは説明すべきですから、まあ、しかたないですね。

使う機会もないんですけどね、手元にあると安心な一冊です。

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センスのよい法律文章の書き方

「センスのよい法律文章の書き方」(木山泰嗣,中央経済社)

訴訟や、不服申立てに関する文書の書き方は、独特です。

規範と、事実と、当てはめとを意識して書くのが肝要と思っていますが、
このような、スーパーにドライな文章というのは、
日頃の感覚とはかなり違うので、なかなか難しいかと思います。

で、そういうことの「書き方」の本というのもあるもので、
店頭で手頃そうなのを見繕って買ってみました--というのが頭書の本。

法律文章以前の、文章としての初歩的なことも多いかな、という気もしますが、
そこがあやしい人も、ままいますので、このレベルからでもいいのかもしれません。
(例えば、言葉の統一ないし使い分けなどは、みなさん結構いいかげんだったりする)

そもそものトレーニングとしては、判決文をいくつも読んで、
その思考パターンや論理展開に慣れることが基本だと思いますが、
こういう本を使って勘どころを学ぶのも有効かもしれません。

とっつきやすいという点では、まあ、いい本だと思います。
その意味では、原課や、審理員候補者の職員にも、いいかもです。

なくてもよし、あってもよし、的なものですが、
参考書が欲しい方は、自分に合いそうなものを探してみてはいかがでしょうか。

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裁判と法律学

『裁判と法律学 -- 「最高裁回想録」補遺』(藤田宙靖,有斐閣)読了。
http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641125810

サブタイトルのとおり、別著「最高裁回想録」の補遺となるものです。
内容は大きく二つあって、第一部は各所で行われた講演の収録、第二部は雑誌に掲載された対談の再録となります。

講演録の部分は、著者自身もまえがきで認めるように重複する部分がありますが、読みやすいものでした。
本書では、最高裁が判決を出すに当たっての考え方などについて、いろいろと語られています。本書を読んだ後では、別著の時点では、語ることをだいぶ遠慮というか自重していたのだな、と感じます。

対談の方もよいものでした。講演内容というのは、本人の語るものですから、一つの観点からの説明となりますが、対談では、聞き手が入ることで、別の角度、観点から説明させることになります。それによって、考え方がより見えるようになります。これはよかったし、おもしろかった。

特にここ、というところを選ぶのは難しいのですが、
「堀越事件」が判例変更にならない理屈(p.39~)、
「空知太神社事件」が憲法判断となった意味合い(p.106)、
などは、興味深い話でした。

それと、対談内からは、「広島市暴走族追放条例事件」の話(p.290~)。
藤田氏は反対意見だったわけですが、ここには、ちょっと苦笑い。

この事件については、私はむしろ学者の良心を正面から貫いたわけです。(中略)これは立法があまりにもひどいのですよ。こういったものをいい加減に放っておくということだと、最高裁の合憲性コントロールの権威を失う、威信を失うと、極端に言えばそうなるのかな。


これは間違いをちゃんと言って作り直させるべきだと思いました。



この本をおもしろがる人間もそう多くない気もしますが、訴訟が最高裁まで行ったときにどのような目で見られるか、ということをうかがい知るという意味では、参考になる本だと思います。おそらく、「最高裁回想録」を読んでいなくても、これだけでも読めるのではないかと思います。

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