半鐘の半死半生

社会に警鐘を鳴らす…わけもなく。

東雲侑子は短編小説をあいしている

ほぼ5年前に書いたものなので、最近の記事と筆致が少し違うな。(当人比)


『東雲侑子は短編小説をあいしている』(森橋ビンゴ,ファミ通文庫)。

何事にも無気力、無関心な毎日を過ごす高校生、三並英太。楽そうだからという理由だけで図書委員になった彼は、ともに委員を務める東雲侑子の熱のない静けさに、自分の空虚さに似たものを感じていた。しかし偶然彼女の秘密を知ってしまったことから、自分との違いを思い知らされる英太。だが、その秘密のために、彼女と距離を縮めることとなり、失ったはずの感情に胸を締めつけられていく…。早熟な少年少女に贈る、もどかしく苦いラブストーリー。


「もどかしく苦いラブストーリー」ですかそうですか、と手に取り。
口絵の最後、「俺は一体、東雲とどうなりたいっていうのだろう。」という引きにそそられて購入。
まあ、帯には、「正直な話、もう認めざるを得ないと思う。俺は--東雲侑子の事が好きなのだ。」と書いてあるのだけど。

ええ、本当にラブストーリーでした。
超能力も魔法もドタバタもなし。モテまくることもないし、パ○ツも見えない。
一人の少年が、だんだんと少女を好きになっていく、そんだけ。

そんだけなんだけど、くそう、なんでこんなにいいのよ!
どうしてこう、何度もページを開いては、読み返してしまうのだろう。
正直な話、もう認めざるを得ないと思う。私は--この2人を応援したいのだ。
若いっていいなあ(遠い目



(以下、読んだ人向けにもう少し感想)



各章ごとに、少しずつ変わっていく構成のために、自然と感情移入できるのでしょうね。
有美さんが、そのモノサシになっているように思います。

しかしまあ、2人の不器用さが、かわいい。
ほんと、じわじわくる。
手をにぎるだけのシーンで、ドキドキしてしまった。こういうのは、なかなかない。

反面、ラストの侑子の「ああいう暴走」は、ちょっとなーと思いました。
少年は、がんばったよ、うん。

あと、作中作である『ロミエマリガナの開かれた世界』は、うまいなあと思いました。

強いて難をいえば、この巻のラストは、なんとなくぼんやりしています。
いくつかの疑問も残ります。侑子はいつから好きだった? とか。

ただ、その辺は、次巻で語られるので、そちらで。(最終的には三部作です。)

ところで、このシリーズ、9nineの『Cross Over』がすっごくイメージ合うんですけど、どう?
(公式ならリンクを貼ってもよかろう)
https://www.youtube.com/watch?v=nx5Kwxb3MiY


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読者と主人公と二人のこれから

『読者と主人公と二人のこれから』(岬鷺宮,電撃文庫)
http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892603-4/

愛読書の主人公(少女)が、現実に現れたら?
から始まるボーイ・ミーツ・ガール。
(実はその本のモデルだった、ということで、ファンタジーではありません)

話は、地味に、じわじわと進みます。
その先のほろ苦さは、いいねえ。大好物よ?
この設定ならではの、「理由」であって、主人公が抱いた「怖れ」はよくわかる。

人にプッシュするかどうかはともかく、私は気に入った。

ちなみに、読んでいて『東雲侑子』シリーズを思い出しました。
作中作が仕事するところも、共通点かな。



ついでに。

『追伸 ソラゴトに微笑んだ君へ』(田辺屋敷,ファンタジア文庫)
http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321610000800
http://fantasiataisho-sp.com/winners/ps/

>二学期初日。空虚な日々を送っていた俺、篠山マサキは混乱した。慣れた様子で教室へ突然現れたのは、俺の記憶にだけ存在しない少女。

知らない少女が現実に現れたら?
から始まるボーイ・ミーツ・ガール。
(なのでリアルものではないですね)

こんな話になるとは思わなかった、というのが感想。
終盤が特に。
読後感、よし。とういうわけで、これもよかった。

追伸 この記事を書いていて、続編が出ることを知りました。単巻できれいに落ちていて、続編向きには思えなかったので、意外。大丈夫かな。

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はじめての自治体法務テキスト

『はじめての自治体法務テキスト』(森幸二,第一法規)
https://www.daiichihoki.co.jp/store/products/detail/102757.html

ぎょうせい刊の『自治体法務の基礎と実践』と同工異曲的なものですが、
あちらが講義の再録的な趣であるのに対し、こちらはテキスト然とした体裁です。
(テキストなんだから当然か)
図表も充実していると思います。いっそうわかりやすい。

特に、8章「自治体の組織のしくみ」の、機関の説明などは、感覚的にわかりづらいところを、ていねいに説明していると感じました。これで「すっきりわかる」人もいるのではないでしょうか。
(ただ、「市」と「市長」の違いに意味はないなどと言われると、個人的には
(´・ω・`) となりますが)

基本的に良書と思う一方、前著と同様、純粋な初心者向けではないと感じます。
現にいる職員に対して、仕事を見直させるもの、といった感じです。
前著もそうでしたが、「君たち何やってんの」と責められている感がですね、ワタシら出来が悪いものですから、気になるといえばなる。
でも、だからこそ、日頃の事務における法的な考え方というものが伝わりそうとも思います。通り一遍の解説だと、実務とつながりにくい面がありますから。

とまあ、そんな具合でしたので、みなさま、お好みの方を(あるいは両方とも)、どうぞ。

追伸 編集さん、図表での誤植はチェックしてあげないと。

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手話を言語と言うのなら

更新滞ってすいません。地獄に付き合うの、私だ。


『手話を言語と言うのなら』(森壮也・佐々木倫子編,ひつじ書房)
http://www.hituzi.co.jp/hituzibooks/ISBN978-4-89476-829-1.htm

「手話を言語と言うのなら」

印象的かつ的確な言い回しだと思います。
私が抱えるモヤモヤをも表現してくれる、かのような。

本書は、日本手話の立場からの本です。
先日触れた、朝霞市の話も入っていました。

内容は、いろいろと参考になるとともに、条例化に求められる覚悟は半端なものではないな、と感じました。条例があるのが大事、では済まない。
また、条例化は、内容的に都道府県マターかな、とも思いました。教育・教員が問題となるならば。

読みたいものを読む、という私の確証バイアスを満足させる本でしたが、さて、反証側のいい本は、あるかな。

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新 法令解釈・作成の常識

『新法令解釈・作成の常識』(吉田利宏,日本評論社)
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/7416.html

法学セミナーで連載されていたものが、ようやく、ようやく発刊となりました。
『新法令用語の常識』とあわせ、手元にそろえておきたい、おくべき一冊と思います。

連載終了時にも書きましたけど、法律だけでなく、条例等にも触れているところがいいところです。

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